東京都内のレトロ風景を散歩しまくってみた【建物・古民家・街並みまで】

東京都内に残る、レトロ建築や街並みを実際に巡った様子をレポートする。

ちなみに私、東京チカーバ編集長がとくに個人的にオススメするスポットは下記。

  • 世田谷線沿線
  • 江戸東京たてもの園
  • 深大寺
  • 青梅駅~御嶽駅界隈
  • 大沢の里
  • 府中市郷土の森

上記がオススメの理由は、ある程度、長時間たのしめるスポットだから。せっかくのレトロ景観であっても、「すぐに見終わるし、周りに何もない」スポットだと、お散歩しがいがないですからね。

前置きはこれくらいにして、それではどうぞ!

※新たなスポットに行き次第、随時追加予定

東京都内のレトロ建築・街並み【東京23区編】

お散歩の参考にしやすいよう、23区と多摩地区に分けてレポートする。

まずは23区から。

世田谷線沿線【世田谷区】

三軒茶屋の三角地帯や下高井戸駅前の商店街など、レトロな光景に出会える世田谷線沿線

変わったところだと、代官屋敷もある。

沿線には社寺も多いため、お散歩スポットに事欠かないのも◎

世田谷線沿線散歩の詳細はコチラ

神楽坂【新宿区】

有名な「石畳」の街並みのほか、ちょっとした路地裏にグッとくるレトロ景観がひそんでいる。

神楽坂散歩の詳細はコチラ

東京市街線鉄道高架橋【港区・千代田区】

新橋~有楽町駅間の高架はよく見ると激シブなルックスをしている。それもそのはず、これは今から100年以上前の明治期、1911年頃に造られた。第一次大戦すら始まってないですからね。高架下には様々なお店が入っているので、ショッピングがてら散歩するのもいい。
新橋駅ちかくには旧新橋停車場があるのでセットで訪ねたい。1872年の開業当時、日本初の鉄道ターミナル駅であった新橋駅の駅舎を復元したもの。内部は汐留界隈の歴史などの展示館となっている(見学無料、展示スペースは小さい)。
プラットホームの一部も再現されている。

旧古河庭園【北区】

立派なレトロ洋館が印象的な庭園。

バラの季節が有名なほか、じつは紅葉もまとまって植えられているので、秋もねらい目。

旧古河庭園のバラの詳細はコチラ
旧古河庭園の紅葉の詳細はコチラ

王子駅界隈【北区】

王子駅界隈は徒歩圏内にレトロな建物が集まるスポットだ。前述の旧古河庭園にも歩いて行ける。

音無親水公園の橋。

醸造試験所跡地公園のレンガ造りの建物。ドイツのビール工場を手本に明治期に建てられ、酒造工場として使われた。国指定重要文化財。

飛鳥山公園内には渋沢栄一ゆかりの青淵文庫(せいえんぶんこ)と晩香廬(ばんこうろ)が佇む。どちらも大正期の建物だ。

同じく飛鳥山公園内にあるレトロな昭和期の都電。

北区立中央図書館では旧日本陸軍の赤レンガ倉庫の一部が使われている。これはオシャレ。ちなみにレトロなのは外側のみで、中に入ると普通の現代的な造りだ。

旧松澤家住宅【北区】

赤羽自然観察公園の中にある江戸時代後期の古民家。

公園周辺は起伏がはげしいので、坂フェチの方なら楽しめるだろう。

旧松澤家住宅の詳細はコチラ

鳩山会館【文京区】

バラの咲く庭園の向こうに立つ明るい色の洋館

鳩山会館。そう、あの「鳩山元首相」の鳩山です。品格のある大正期の建物は、内外ともに美しい。

建物の前にはバラ園があるので、初夏か初秋のバラシーズンに訪れるのがいい。

鳩山会館の詳細はコチラ

肥後細川庭園【文京区】

メジャーな都立庭園の影に隠れて穴場感が強いが、無料ながら本格的な庭園風景を楽しめるスポット。

園内にある松聲閣(しょうせいかく)は大正時代の建物。旧熊本藩細川家の下屋敷のあったこの地で、細川家の学問所として使われていた。

東京都内にレトロ建築物は数多くあれど、「日本庭園を2階から見おろせるレトロ建物」はとても珍しい。

肥後細川庭園の紅葉の詳細はコチラ

亀戸香取勝運(かめいどかとりかちうん)商店街【江東区】

商店街の活性化のため、2010年代に「昭和の街」をモチーフにリニューアルした商店街。

小金井市の「江戸東京たてもの園」にあるような看板建築物が、なんと「リアルに営業している店舗」として存在している。

直線距離にして150mほどの規模で商店街は短い。しかし、歩いてすぐのところに亀戸天神がある。藤や梅の季節に合わせて訪ねてみては。

地下鉄博物館【江戸川区】

地下鉄をテーマにした博物館。昭和時代の地下鉄車両やプラットフォームが移築、復元されている。

地下鉄博物館の詳細はコチラ

アメ横【台東区】

アメ横の看板のかかった通り

400ものあらゆるジャンルの店舗が所せましと並ぶ様子は、どことなく「戦後」な空気感。

意外と(失礼!)なかなかの高級品も売っていたりと、お店を見て歩くだけでも楽しい。

衣服店が並ぶ狭い通路

アメ横散歩の詳細はコチラ

浅草地下街【台東区】

日本でも初期に造られた地下商店街とあって、昭和で時がストップしたみたいなビジュアル。

規模は小さいものの、浅草寺やスカイツリー観光のついでにサクッと寄れます。

浅草地下商店街の詳細はコチラ

荒川線の三ノ輪橋周辺【荒川区】

世田谷線とならぶ東京の路面電車、都電荒川線。

終点の三ノ輪橋停留場は、駅の雰囲気からして「昭和」。

さらに、駅のそばにはレトロなアーケード街・ジョイフル三ノ輪橋商店街がある。

三ノ輪橋停留場にはバラがたくさん植えられている。バラの季節に訪れるといい。

荒川線のバラの詳細はコチラ

沖縄タウン 杉並和泉明店街【杉並区】

「東京の沖縄タウン!」みたいな触れ込みで各種メディアに取り上げられるスポット。

そうした観点で訪れるとガッカリするかもしれないが、ご覧ください。このイイ感じにくたびれた(失礼!)景観を。

商店街を抜けたところには、こんなグッと来る街並みも…。

沖縄タウンとしてだけではなく、レトロスポットとして捉えてみては。

商店街の規模は小さいが、世田谷線沿線のレトロ散歩につなげやすいのも◎

和泉明店街の詳細はコチラ

立花大正民家園 旧小山家住宅【墨田区】

下町に残る大正建築。そこまで大きな古民家ではないが、激シブな台所など要チェック。

徒歩圏内には旧中川(河津桜、あじさい)や小村井香取神社(梅)など、花の穴場がある。花の季節に合わせて訪ねるといい。

立花大正民家園 旧小山家住宅の詳細はコチラ

板橋区立郷土資料館・旧田中家住宅【板橋区】

郷土資料館の鉄板コンテンツである「古民家の屋外展示」が板橋区にもありました。

明治期のポンプ車もいい味出してます。

目の前の赤塚溜池公園は梅の名所で、ちかくには美術館もある。「ここ以外に何も無い」とならないのがgood。

板橋区立郷土資料館の詳細はコチラ

旧前田家本邸洋館・和館【目黒区】

井の頭線の駒場東大前駅にほど近い駒場公園。この公園は、加賀百万石(石川県)の当主・前田利為侯爵駒場邸跡でもある。

昭和初期に建てられた邸宅を、内外から見学できる。

とくに桜の時期には、このような写真映えしまくりな構図となる。

都市農業公園【足立区】

「農業」をテーマにした、田畑のある公園。明治期の長屋門と古民家がある。

陸の孤島のような立地なので、せっかくなら、春のチューリップか秋のコスモスの時期に合わせて訪れると良いだろう。

都市農業公園の詳細はコチラ

東京都内のレトロ建築・街並み【東京多摩地区編】

続いて多摩地区編。

吉祥寺のハーモニカ横丁など【武蔵野市】

吉祥寺駅前の商店街は、長めのアーケード街があったり…

昭和感あふれる横丁があったりと、歩いていて楽しい。

周辺には井の頭公園の動物園、ジブリ美術館など見どころも多い。

武蔵国分寺跡資料館【国分寺市】

湧水沿いのお散歩コース「お鷹の道」にあるスポット。

お鷹の道

長屋門は都内のほかの場所でもよく見られるが、珍しいのは、「門の中に入って展示物を見学できる」という点。内部見学可能な長屋門って、都内では他にないのでは?

お鷹の道散歩の詳細はコチラ

江戸東京たてもの園【小金井市】

歴史的建造物がおよそ30棟も移築・復元された、まさに「レトロ建築の一大テーマパーク」とでも言うべきスポット。

不便な立地ではあるが、すべての建物をくまなく見学すると3時間くらいかかり、見ごたえは抜群。

桜やコスモスがキレイな小金井公園内にあるので、そうした花の季節に来るのもいい。

江戸東京たてもの園の詳細はコチラ

府中市郷土の森博物館【府中市】

江戸東京たてもの園には遠く及ばないが、いくつものレトロ建物が並ぶスポット。

都内でも屈指の梅・紫陽花の名所なので、花と合わせて巡りたい。

府中市郷土の森の詳細はコチラ

大東京綜合卸売センター【府中市】

昭和41年から続く多摩地区最大級の卸売り市場で、70店舗が入った巨大なレトロ空間が広がる。

この年季の入った雰囲気が何とも言えません。小売りもしていて、市場をブラブラしながらショッピングも楽しめる。

ここまでわざわざ足を運ぶなら、西武多摩川線沿線のスポットも合わせてお散歩したいところ。

西武多摩川線沿線散歩の詳細はコチラ

深大寺【調布市】

多摩地区きっての古刹、深大寺。湧水と風車が風情抜群の参道には蕎麦屋が10軒以上も立ち並び、レトロな雰囲気を醸し出している。

深大寺の隣にある神代植物公園では5月と10月に都内最大級のバラ園が見頃となるので、セットで訪ねるのもいい。が、深大寺は基本的にいつ来ても楽しめる。

深大寺の詳細はコチラ

国立市古民家【国立市】

江戸時代に建てられた古民家。古民家周辺の谷保・矢川エリアは雑木林や湧水が点在し、自然がわりと多く残されている。

観光スポットでもないので、ゆったりとお散歩できるだろう。

谷保・矢川界隈の散歩の詳細はコチラ

川越道緑地古民家園【立川市】

川越道緑地古民家園

きれいに整えられた石庭が印象的な古民家。

やや不便な立地にあるが、近くには玉川上水が流れ、散歩コースが整備されているので、他には何もないということはない。

川越道緑地古民家園の詳細はコチラ

小平ふるさと村【小平市】

江戸から明治以降の歴史的建築物を復元・展示するスポット。

復元住居は5棟ほどで、そこまで広いスポットではない。

ちかくには紫陽花の名所「あじさい公園」がある。

小平あじさい公園

大沢の里【三鷹市】

大沢の里古民家

里山の風景が広がり、都内には見えない三鷹・大沢の里エリア

その一角にちいさな古民家がある。明治期の建物で、わさび・養蚕農家が所有していた。

野川をはさんで向かいには、水車経営農家の家もある。水を動力源としているとは思えない巨大な水車は必見

大沢の里エリアは駅からはやや離れているが、周辺には公園や緑地がとても多く、一日では歩き切れないほど。お散歩の穴場的なスポットと言える。

大沢の里の詳細はコチラ

高尾駒木野庭園【八王子市】

JR高尾駅から歩くこと20分ほどのところにある、箱庭のような小さな庭園。ここには、昭和に建てられた医師の邸宅がのこされている。

昭和レトロな日本家屋からは、うつくしい枯山水や高尾の山並みが見える。

このあたりは都内最大級の梅郷だ。梅の季節に訪ねると◎

高尾駒木野庭園の詳細はコチラ

長池公園の見附橋(みつけばし)【八王子市】

レンガが渋くて大正ロマン香る、独特な形の橋。それもそのはず、大正時代につくられた橋なのだ。紅葉の美しい長池公園内にかかっている。

長池公園の詳細はコチラ

青梅駅周辺【青梅市】

青梅のレトロな街並み

街をあげて昭和レトロな街並みがつくられている街・青梅。

駅前の大通りには看板建築が見られるが、期待値が大きいと「これだけ?」となるかもしれない。

しかし、注意して散歩すると、街のいたるところに古民家やいいカンジに古びた建物が登場する。時間をかけていろいろ歩き回るのがいい。

さらに、青梅駅周辺にとどまらず、近隣の駅に目を向けると、後述のようなレトロスポットが点在。

ちなみにこの画像は二俣尾駅ちかくの風景。青梅市は「レトロ景観の宝庫」と言えよう。

青梅駅周辺の詳細はコチラ

【2023.4閉館】河鹿園【青梅市】

JR御嶽駅から徒歩0分、御岳渓谷沿いに建つ国の登録有形文化財・河鹿園(かじかえん)。

その前身は、大正~昭和に建てられた老舗旅館だ。旅館としては廃業したが、いまでは建物を活用して美術品のギャラリーになっている。

旅館だった建物から見おろす御岳渓谷は、旅情を誘いまくる。個人的にかなりオススメのスポットだったが、2023年4月、美術館としても閉館してしまった。

河鹿園の詳細はコチラ

吉川英治記念館【青梅市】

数々の歴史小説をのこした吉川英治氏の資料を収集・展示したスポット。こちらには、住まいとして使われた母屋がのこっている。

明治期の建物から山並みをのぞむ。都会の古民家では見られない解放感だ。

吉川英治記念館の詳細はコチラ

石川酒造【福生市】

国の登録有形文化財を6棟も所有する酒造メーカー。

コロナが落ち着いたらぜひ酒蔵見学と併設レストランに行きたい。が、外観を眺めるだけでも味が合ってgood。

周辺の社寺めぐりと合わせると、歩きごたえがあるだろう。

昭島・福生駅周辺散歩の詳細はコチラ

五日市郷土館【あきる野市】

郷土資料館に古民家が併設されている。

五日市郷土館は大きな施設ではないが、ちかくには見事な枯山水がある玉林寺も。

また、この一帯は、桜や紅葉の季節になると、東京とは思えない景観があちらこちらで見られる。春か秋がベストシーズンだろう。

武蔵五日市駅周辺の観光の詳細はコチラ

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