鳩山会館、バラと大正ロマンが薫るステキ空間を見学【東京・文京区】

バラの咲く庭園の向こうに立つ明るい色の洋館

2020年11月12日(木)、東京都文京区にある鳩山会館を秋バラ鑑賞しがてら見学してきた。

館内の天井から床、外の庭にいたるまで香る大正ロマンな雰囲気を、動画やたっぷりの写真とともにレポートする。

鳩山会館、バラと大正ロマンが薫るステキ空間を見学【概要】

東京都文京区、中層ビルが並ぶ音羽通りから少し入った丘の上にある鳩山会館。

洋館内は2階まで見学可能で、大正の雰囲気を漂わす館内を歩いていると、ステンドグラスをはじめ、美しい装飾や調度品の数々が目にとまる

洋館を一歩外に出ると庭が広がり、初夏と秋には140株ほどのバラが咲き誇る

洋館とバラと言えば、北区の旧古河庭園が有名だが、こちらは庭の知名度・規模ともに旧古河庭園よりは小さいだろう。

しかし、だからこそ「プライベートな空間」といった雰囲気があり、旧古河庭園ほど混雑することもない。

また、すぐ近くには首都高や音羽通りが走るが、丘の上に位置し、木々も多いためか、騒々しさは感じない。

レトロ建物、四季の花といった要素にピンと来る方なら、一度は訪ねてみるといいだろう。

現地の雰囲気はこちらの動画をどうぞ。

バラの見頃期と開花状況

鳩山会館の見どころの一つ、春・秋のバラの見頃期は以下のとおり。春バラのほうは季節的には初夏といったほうが正確。

春バラ
5月中旬~6月初旬

秋バラ
11月中旬

2020年11月12日(木)訪れた当日の開花状況は見頃だった。

バラの季節には公式HPにてバラの開花状況がUPされるので、そちらを参考にされたい。



鳩山会館の様子をもっと詳しく【詳細】

それでは、現地の様子をもっと詳しく見ていこう。

鳩山会館とは

鳩山会館の「鳩山」は、あの鳩山元首相の「鳩山」である。

鳩山友紀夫元首相の祖父、鳩山一郎氏(第52代内閣総理大臣)が大正13年(1924)にこの地に洋館を建てたのだ。

鳩山家が4世代を70年にわたって過ごし、政治の舞台ともなった洋館は、その役目を終えた後、取り壊しの危機もあったようだ。

だが、往時の面影や品々を遺すべく大改修が施され、1996年に記念館としてオープンした。

急な坂を登ってエントランスまで

鳩山会館の目の前には音羽通りが走り、このようにビルがズラーッと並ぶ。

そんな中、ひっそりと入口がある。華やかな洋館などは一切見えず、ウッカリ見過ごすところだ。

門をくぐるやいなや、いきなり急な坂を登ることに。プチハイキング気分。鳩山会館に限らず、この一帯は台地と谷が入り混じる地形のため起伏がはげしい。

坂を登りきるとエントランスが。

中へ入ろうとすると、イイ感じのお爺様の係の方がドアを開けて待ってくれているではないか。

いきなり「お坊ちゃま」になった気分になるという…そんなスポット、都内で他にあるだろうか。

美しいステンドグラス

公式に「バラとステンドグラスの鳩山会館」と謳うこともあり、館内には至るところにステンドグラスが見られる。

玄関を入って振り返ると見える細長いステンドグラス。鳩山だからハトなんでしょうか。

こちらは格子模様部分が普通の透明なガラスだ。なぜ、全体的にステンドグラスにしないのだろう。

透明な部分をつくることで、四季の花や木々が目に入るようにしている。借景的な考えですな。

はい、以上の説明は全て係の方の受け売りでございます。思わず「爺や、ありがとう。」と気分はますます良家の子息。いろいろとご説明してくださると、自分の視点では気付けないことが色々と分かって一層楽しめるので有難い。

第二応接室のステンドグラス。

1F・2Fをつなぐ階段の踊り場にある、ひときわ大きく目をひく作品。日本初のステンドグラス作家と称えられる小川三知氏の手による。

法隆寺五重塔を模していると言われ、日経の国内ステンドグラス特集では国会議事堂のステンドグラスに次いで2位の評価。

近寄ってみると瓦の質感など、非常に細かいことが分かる。

歴史を感じる部屋

まずは見学できる1階と2階の間取りを。いったい何部屋あるんでしょうか…。

まずは一階から。第一応接室の眺め。レトロ建物好きならこれだけで白飯何杯かイケるのでは。

第二応接室、上座以外は「お座りいただけます」とあるが…畏れ多くて座る気にならない(笑)

第三応接室、こんなところでモーニングコーヒーでも飲んでみたいものです。

つづいて2階。この大広間は会合目的などで貸し出しもして下さるとのこと。

真ん中の柱はなんと鏡張り。金髪カールの女性が柱の影から出てきても驚かない華美な感じ。

大広間からは庭も一望できる。

このほかにも4つの記念室があり、偉人ゆかりの品々が展示されている。記念室は撮影不可のため割愛。

天井や床、調度品にも注目

お部屋全体の大正の雰囲気も素敵なのだが、細部にも注目したい。

1階、2階それぞれ、電球とランプシェイドが天井に影模様をつくっている。

そう、塗ったり彫ったりじゃなくて、陰影で模様になっている。シャレオツです。

上ばかりでなく下に目をやると…。この床を見ながら歯磨きできるんじゃないかというレベルで鏡のようにピカピカである。

磯野家のような形状のテレビ。時の流れを感じますね。

これはこれは…髪型はクリソツ。

庭園にはバラが咲く

1階のサンルームの扉を開けてお庭へ。猫は猫でも子猫の額な部屋が自慢の私にとっては「サンルームって何?あまいお菓子ですか?」状態だが、それはさて置き。

庭の全景。立っている人とくらべても分かるように、都立の庭園や公園に見られる日本庭園のような広さではない。

と言ってもかつての一個人のお庭としては、立地を考えると破格の広さなのですが…。

この広さの塩梅がちょうど良くて、いかにも史跡・名勝といった趣ではなく、VIP宅にお邪魔している感がある。

そらVIPですからね、コイも丸々となりますわ。たぶん私よりずっといいモン食べてる。

咲きほこるバラは香りも優雅だ。ここはやはりバラの季節に訪ねたい。

振り返って庭から洋館を眺める。お洒落…なのだが、屋根上部に謎の彫像が並んでいるのを発見。

拡大。フクロウですかね。そこはハトにしないと!(大きなお世話)

庭の奥へ進むと…。

離れがあった。離れには入れず、小さなバラ花壇があった。

特別に規模の大きいスポットではないが、穴場感があり、ホスピタリティあふれる鳩山会館なのであった。



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アクセス・所要時間など

住所
東京都文京区音羽1-7-1

アクセス
●有楽町線「江戸川橋」下車 2番出口より徒歩7分
●有楽町線「護国寺」下車 5番出口より徒歩8分
●丸ノ内線「茗荷谷」下車 徒歩16分

※音羽通りに面した入口しかなく、裏門からは入れない。なので、茗荷谷からのアクセスの場合、音羽通りに回り込む必要がある。

滞在時間
1時間
※花の鑑賞時間含む。
※施設見学時間含む。

費用
有料

飲食
音羽通りや最寄り駅周辺に飲食店が散見される。30分くらい頑張って神楽坂まで歩いてランチ・カフェという手も。

地図

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