護国寺駅と茗荷谷(読み方、みょうがだに)駅周辺を散歩してみた。
ともに幹線道路から路地に入ると、まさにザ・閑静な住宅街といった雰囲気で、落ち着いた街だった。
現地の雰囲気を、たっぷりの写真とともにレポートする。
護国寺駅・茗荷谷駅周辺の街の様子
一言でいえば「上品な街」。
お茶の水女子大や筑波大学附属中高などが並ぶ文教地区で、落ち着いた高級住宅街といった印象だ。
コチラは護国寺駅前。
そしてコチラは茗荷谷駅前。このように、駅前をはじめ幹線道路沿いはビルなどが並ぶが、繁華街といった感じではない。
街を歩いていても、ガラの悪そうな兄ちゃんにエンカウントしそうにない。この界隈、不動産屋さんのサイトとかSNSで見てても一様に治安の良さが言われている。
そもそも、古くは江戸の頃より大名が屋敷をつくり、明治24年(1891)には鳩山元首相でおなじみ鳩山家が居を構えたお土地柄。
だからだろうか、「カネ持ってまっせ!皆さんセコムしてますか!?」みたいな鼻につく成金臭も感じない。落ち着いた雰囲気だ。
一帯は小石川植物園をはじめ、緑が多い。文教地区であることと同時に、自然がそこかしこに点在していることが、街の落ち着いた空気感の醸成に一役買っている。
また、起伏マニアが唸るほどの密集度・規模感ではないかもしれないが、わりと坂が多めだ。
街の雰囲気を概観したところで、そんな護国寺駅・茗荷谷駅の近隣スポットを色々と巡ってみよう。
播磨坂の桜並木
なんと言っても桜のシーズンが有名。都内では珍しい「3列」の桜並木の中を歩ける。
新福寺
小石川植物園の前にある小さなお寺。
小石川植物園
自然が残されたスポットが意外と点在している23区。その中でも屈指の規模感・景観をほこるのが小石川植物園だ。
園の中央部を歩いていると、高い木々に囲まれて23区であることを少し忘れそうになる。
植物園だけあって、花や植物の種類が多い。どの季節に行っても楽しめる。
小石川植物園の桜(春)
小石川植物園のツツジ・藤(初夏)
小石川植物園の彼岸花(初秋)
小石川植物園の紅葉(秋)
小石川植物園の梅(初春)
傳通院(でんづういん)
若々しく立派な山門が目を引く。
慶長7年(1602)、この地に埋葬された徳川家康の生母・於大の方の晩年の名にちなみ「傳通院」と呼ばれるようになった。
石川啄木終焉の地歌碑・顕彰室
高齢者施設の一角につくられた石川啄木顕彰室。とても小さな展示室だ。
なぜこんな場所に…?石川啄木が亡くなったのが、この場所のすぐそばだったという。
啄木に関する資料が展示されている。
外には、啄木最後の歌「悲しき玩具」の歌碑があった。
占春園(せんしゅんえん)と教育の森公園
占春園は、陸奥守山藩松平家の屋敷にあった庭園の跡だ。ちなみに、この地に屋敷を構えた松平頼元は、水戸黄門こと徳川光圀の弟。
あくまで庭園「跡」であり、いまは筑波大附属小学校の管理のもと、一般にも公開された自然観察園になっている。
そのため、日本庭園らしい風景はほとんど見られず、住宅街に残された緑地といった風情だ。
観察池がある。当時は江戸三名園のひとつに列していたというから、見事な池泉回遊式庭園だったのだろう。
園内にはちょっとした起伏もある。
隣に筑波大学東京キャンパスが見える。
柔道の父・嘉納治五郎像。筑波大学の前身である東京高等師範学校の校長をつとめた。
天皇陛下の行幸記念碑。昭和6年、東京高等師範学校の創立60周年記念式典とある。
占春園を抜けた先には教育の森公園がある。
ゆったりとした公園ではあるが、とくに変わったものはない。
護国寺
23区の中では比較的ゆったりとした境内をもつお寺。
大仏様や枯山水、富士塚など見どころが多い。
雑司ヶ谷霊園
護国寺のすぐ近くにある霊園。夏目漱石のお墓がある。
八百招地蔵(やおまねきじぞう)
地蔵信仰により病気が治ったという地元の方により1910年に建立。多くの福を招くことから八百招地蔵と言われる。
関口台公園
「台」というだけあって、斜面地にある公園。
すぐ隣には首都高が走る。
小さな池がある。
名所と呼ぶほどではないが、ツツジが多少まとまって植えられている。
まぁ、そこまで広くはなく、特別なものはない。
ツツジと言えば、春の終わりから初夏の頃、近くの護国寺や小石川植物園でもツツジが咲くので、合わせて散歩しても。
鳩山会館
鳩山家の住宅跡を公開した施設。大正期のハイカラな建物は端正だ。庭にバラが咲く春か秋がベストシーズン。
目白台運動公園
運動場のあるなんてことのない公園だが、春になると桜が綺麗。
こちらも「台」と名がつくだけあって、眼下に街を見下ろすことができる。
肥後細川庭園
無料ながらなかなか立派な日本庭園。滝あり、池あり、大正期の建物ありと見ごたえ抜群だ。
神田川桜並木
肥後細川庭園前の神田川には、1km弱にわたって77本のソメイヨシノが植えられている。
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地図
※実際歩いたコースと若干異なる。