2019年4月22日(月)、東京都国立市にある湧水スポットに新緑を見がてら行ってきた。鶏が闊歩する谷保天満宮を中心に、湧き水が綺麗な街を散歩してきたのでレポートする。
谷保天満宮は鶏が放し飼い!矢川のママ下湧水散歩と合わせて
谷保・矢川コースは、都内の湧水を訪ねる散歩コースとしてはメジャーな部類に入るのかもしれないが、熱心な散歩ファンでもなければ知る人ぞ知るといったところだろう。念のためだが、谷保は「やほ」と読む。
境内に柵もなく鶏が放し飼いにされている神社、鬱蒼とした雑木林、中央道に隣接した透明なせせらぎなど、大きな感動は無いものの、少しだけハッとする光景が随所に散りばめられたコースだ。
それでは、現地の様子を見ていこう。
【谷保天満宮】学問の神様をお祀りする鶏が放し飼いの神社
最寄り駅の谷保駅からアクセス
まずは谷保天満宮を目指す。最寄り駅はJR南武線谷保駅。南口を出たらそのまま直進、T字路にぶつかるので、線路とは反対に左に曲がって進む。駅から徒歩3分たらずで迷うことは無い。

谷保天満宮は学問の神様、菅原道真公を御祭神とする東日本最古の歴史を誇る天満宮である。湯島天神、亀戸天神と並んで関東三天神と称されるが、受験生にお馴染みの湯島天神、藤の花が有名な亀戸天神と比べると、一見すると地味な印象ではある。奥に進むと地味どころかトンデモ光景に出会えるのだが。

合格祈願の絵馬がズラリと並ぶ。谷保天満宮があるここ国立市は、一橋大学や国立高校など全国でも屈指の難関校がある文教地区でもある。受験生の参拝も多そうだ。なお、谷保天満宮は学業成就のほか、交通安全祈願も有名。

鶏が放し飼いのナニコレ珍景
たくさん並んだ絵馬よりも遥かに目立った存在がある。なんと、境内をニワトリが闊歩している。小屋に入っているわけでもなく、放し飼いにされているのだ。中々に衝撃的な光景であり、最初の「地味な印象」という言葉は撤回したい。
鶏は名物のようだが、谷保天満宮のホームページを見ても一切言及が無いのが不思議さに拍車をかける。それにしても放し飼いにして逃げ出さないのだろうか。

木々の多い境内
境内の裏手には小規模だが雑木林がある。境内自体、そこまで広いわけではない。

弁天池【6月には紫陽花が咲く】
境内の一角にある弁天池。周りには紫陽花がまとまって植えられていて、6月になると紫陽花祭りが開かれる。

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【城山公園】古民家もある雑木林
谷保天満宮を後にして、城山公園を目指す。
畑の横を通る。

道路を進んでいくと…。

城山公園(じょうやまこうえん)へと入る小道が左手にあった。それにしても、この小さな案内板と言い、道の細さと言い、今回歩いたコースを地図無しで歩けと言われたら、だいぶ迷子になりそうだ。道中、基本的に道案内などは無いに等しい。スマホの地図機能をフル活用しながら何とか進んでいく。

城山公園は中世豪族の館の跡地と言われており、東京都の歴史環境保全地域に指定されている。公園と言っても遊具があるわけではなく、平日昼間に中に足を踏み入れると、他に人が皆無のため少し怖い気もする雑木林だ。ただ、規模は大きくなく、住宅街も近い。

公園内には小さな池もある。

公園の裏手には古民家もある。江戸時代より使われていた農家を移築・復元し、国立市が管理・運営している。

古民家前の様子。この地域は本当に畑が多い。そこかしこに散在している。

【ハケ下散策路】地味目な小径を歩いて
続いて古民家のすぐ近くから出ている「ハケ下散策路」なる散策路を歩く。ハケというのはあまり聞き覚えのない言葉だが、崖地形を意味する。
「ハケ下散策路」は青柳崖線に沿ってヤクルト本社が設置し、国立市が管理している。ということで、小道のすぐ隣は、立派なヤクルトの研究所が立っている。正直、散歩コースとしては地味。

散策路を抜けて、民家の間を縫うように走る道を行く。

くにたち郷土文化館を通り過ぎる。原始時代から現代にいたるまで国立の歴史を展示、解説する施設だ。

畑と中央道。次の目的地、矢川おんだしは近い。

【矢川おんだし】水の透明度が高い湧水
続いての目的地は、矢川おんだしだ。
中央道のすぐ近くの小道に沿って、用水路が流れている。

水は透明で、綺麗な流れだ。

そんな長閑な風景の先には中央道が走る。景観的にはこの中央道が無ければ、ずっと素晴らしいのだが…。

目的地に到着。矢川と用水と合流するこの地点は「矢川おんだし」と呼ばれるそうだ。清らかな水の流れが爽やかである。

そんな清流と中央道に囲まれた保育園があった。水路には柵も何も無いので、年に数回、落ちた園児を先生が大慌てで救出する…そんな光景を勝手に想像しながら進む。

用水路はいったん大きな通りの下へ潜る。

ここで用水路に別れを告げて、この大通りを中央道とは反対側に向かって歩く。周りは相変わらず畑が多い。

【ママ下湧水公園】東京の名湧水57選の透明なせせらぎ
ほどなくママ下湧水公園に到着する。大通りの両側に公園が広がっており、通りから下に降りて散策する。

ママ下湧水公園の「ママ」とはこの地域では崖を意味する。青柳崖線の下から湧き出る豊かな湧水は東京の名湧水57選にも選ばれている。確かに水は綺麗だが、遊具もなく、特に広い訳でもないため、見学は一瞬で終わる。


公園の周りは住宅で囲まれている。谷保・矢川エリアは、民家と畑に囲まれるように清流が残され、中央道がドーンと通る独特な景観を持ったエリアだ。

【四軒在家公園】小さな復元古墳
ママ下湧水公園近くの「四軒在家公園(しけんざいけこうえん)」。2001年に発見された古墳のうちの1つを復元したものが展示されている。古墳は7世紀のもので、この地域の長のお墓だというが、実際には小さな広場にポツンと石の塊があるのみだ。観光資源としてはインパクトに欠ける。よほど古墳が好きな方以外は無理して来る必要は無いように思う。


矢川駅を目指して歩く。駅が近くなっても、相変わらず畑が沢山ある。

矢川の流れ。ここもまた、水は透明だ。

矢川駅に到着。

綺麗な水の流れと新緑を楽しめる穴場的なスポットだったが、全体的に地味であるため、谷保天満宮のニワトリのイメージだけがやたらと残る散策となった。
周辺スポット
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アクセス・住所・駐車場・所要時間など
●住所
谷保天満宮 〒186-0011 東京都国立市谷保5209
●アクセス
JR南部線「谷保」下車 南口より
●歩行時間
約1時間20分。歩行距離としては4kmほどのコースだった。
●駐車場
30台ほどの駐車スペースがあるが、正月や例祭のシーズンは混雑するようだ。
●費用
無料
●飲食
散策コース上で弁当を食べられる場所は少ない。南武線に乗ればすぐ近くに立川駅がある。立川駅まで出れば飲食店に困ることは無い。
●地図
※実際に歩いたコースと若干異なる。