2019年8月29日(木)、東京都台東区、上野公園内にある国立科学博物館に行ってきた。
常設展示の恐竜の化石標本や、夏の恐竜博など、恐竜のイメージが強い博物館だが、実は100頭を超える剥製がワンフロアに展示されている。正直、恐竜よりもコチラのほうがずっとインパクトが大きかった。
混雑状況や現地の雰囲気を、たっぷりの写真とともにレポートする。
また、周辺スポットについても本記事後半で解説しているので、「その後は何する?」のヒントになればうれしい。
国立科学博物館の見どころは恐竜より剥製
1877年創立の歴史ある日本最大級の総合科学系博物館。1万点以上の展示からなり、マトモに見学すると1日では見切れない規模感である。
「日本列島の自然と私たち」がテーマの日本館と、「地球生命史と人類」がテーマの地球館という、二つの建物からなる。
その名が示すとおり、本施設は「博物館」であり、体験系展示物が豊富な「科学館」とは異なる。
特徴としては、
- 大人の見学に耐える多種多様な展示と解説
- 見るだけの展示物が多く、体験コーナーは規模のわりに少なめ
- 周辺には上野公園、アメ横など観光スポットが集積
- 周辺の外食にも困らない
- 展示や建物の内装が洒落ている
- 駅近なので他のスポットと合わせやすい
こういった特徴のため、未就学児童~小学校低学年のチビッ子たちでも楽しめないことは無いが、いわゆる科学館で見られる「ハイテンション」な状況にはなりにくい。子供も小学校高学年以上の年齢になれば、色々と興味を持って見学できると思う。
逆に、大人のカップルのデートスポットとしてはオススメできる。
特に、1931年完成の日本館は、西洋の博物館のような雰囲気を醸し出しており、「こんなに知的なボク」を演出してカノジョの点数を上げること請け合いである。
なお、常設展示でも恐竜の復元化石の展示があるものの、それよりも何よりも、100頭を超す大量の動物の剥製がズラーッとワンフロアに並ぶ展示のほうがよっぽど個人的にインパクトがあった。
混雑状況
夏休み中の平日であったが、館内には余裕があった。
そもそも館内が広いため、人が多くても分散し、「館内のどこに行っても人だらけ」という混み具合にはなりにくいと思われる。
ただし、それは常設展に限った話。特別展については話が別で、同日に見学した恐竜博は親子連れでごった返していた。
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国立科学博物館の様子を詳しくレポ!
それでは、国立科学博物館の様子をもっと詳しく見ていこう。
行き方・周辺の様子
最寄り駅として、JR上野駅を利用。迷路のように複雑怪奇な上野駅ではあるが、公園改札にさえ辿り着ければ、そこからのアクセスは容易である。
上野駅を背にして公園をまっすぐ進み、最初の十字路を右に曲がって進めば、右手に国立科学博物館上野本館が見える。上野駅からはわずか5分ほど。
建物の傍にはシロナガスクジラの巨大復元模型が展示されている。
建物の前は木々がゆったりと植えられ、解放感のある公園スペース。
木々を抜けると噴水広場もある。ではさっそく館内には何があるのか見て行こう。
地球館の見どころ【3階の剥製は必見】
とにかく広い。地下3階から3階までと冗談みたく広い。
地下3階~ちょっぴり体験コーナー~
地下3階の「自然のしくみを探る」フロアは、
本施設では珍しく、体験系展示物が散見される。
ただし、その多くが「ボタンを押すと化学現象が起こる」類のもので、見た目は地味。幼児向けではないだろう。
地下2階~骨とか、進化とか~
「地球環境の変動と生物の進化」フロア。いちいち展示がシャレオツである。
いかにも博物館な眺め。
原人の骨もこのようにお洒落仕様に。
マンモスの骨でできた家のレプリカ。原子肉を食べたくなる佇まいだ。
地下1階~恐竜の骨格標本~
でました恐竜の骨ドーン!
この日訪れた、お隣の特別展である恐竜博と比べると、ずいぶん人が少ない。ただしフロアは狭い。
1階~地球の歴史とか、昆虫標本とか~
地球の歴史のダイジェスト版みたいなフロア。
昆虫の標本も。
大型映像があったり、アクセスしやすい1階ということもあり、子連れが比較的多いフロアだ。
図鑑みたい。
骨格標本さえもどこかインテリアっぽく。
牛の胃腸。長い!こりゃおなかを壊しても、ビオフェルミン2錠程度じゃどうにもならんゾ。
2階~科学技術とか~
科学技術のフロア。
波を観察する装置など、体験系展示物が若干あるが、派手な動きや演出を好む幼児向きではない。
3階~大量の動物のはく製・大地を駆ける生命~
個人的に国立科学博物館最大の見どころは3階と言いたい。ワンフロアに100頭を超える剥製が大集合。ハワイの実業家・狩猟家である故ワトソンT.ヨシモト氏(1909~2004)より寄贈された「ヨシモトコレクション」の一部だそうだ。
こんなに大量の動物のはく製が一堂に会する場面は見たことがない。
草食動物もいれば、
肉食動物もいて、
鳥にいたるまで、何と115体ものはく製が大集合。101匹ワンちゃん大行進どころの騒ぎではない。
近寄って見ると、今にも動き出しそうだ。
ガラス張りの床もあり、動物たちを色々な角度から見学できる。
はく製ゾーンの隣にはキッズコーナー「コンパス」がある。未就学児対象ではあるが、土日だと事前にローソンチケットでチケットを買っておかねば入れない。そこまでして来る必要性があるのか…幼児連れなら大人しくお隣の上野動物園に行けば良い気もする。
3階にはこのような線路に面した通路があり、スカイツリーとともに上野駅を行き来する電車が見られる。ただし通路は狭く、子供が電車好きだとしても、メイン目的で来るほどではない。
日本館の見どころ【西洋風な内装に注目】
国指定重要文化財の建物
日本館は地球館ほど広くはないが、見ごたえはある。何といってもこの内装。
ネオルネサンス様式の内装は、何ともヨーロピアン。
階段も気品にあふれる。
実にエレガントな佇まいである。
ステンドグラスが美しい。
では、さっそく館内を見て行こう。
1階~自然観測の技術など~
天文とか、
地球儀とか。
2階~日本人とか、日本の生き物とか、ハチ公とか~
全館とおして落ち着いた雰囲気だ。
はく製とか
日本人の歴史とか。「今日の収穫これだけかよ、使えねーな、この中に飛び込んでアンタも食材になりな」「ごめん母ちゃん…」かかあ天下は弥生時代から続いていたようである。
狩りが不発に終わっても家族を食わせられるように、弥生時代の男どもは稲作を進化させていったという。嘘です。
某通信会社のマスコット犬など目じゃない国民的人気犬である「ハチ公」の剥製が、なぜか他の動物の剥製に混じって「その他大勢の一員」としてサラッと展示されている。おかげでスルーしてしまい、お尻しか写ってない始末。おい、国民的スターなんだからもっと大々的に展示しなさい!
3階~日本列島について~
フタバスズキリュウの復元骨格。鈴木直氏が双葉地層から発見したのが名前の由来であるが、彼(彼女?)もまさか8500万年後に鈴木さんの名を冠するとは思ってもいなかったであろう。
日本の鉱物と、日本に落下した隕石。
石ころもこうやって並べられると美しい。
地学っぽい。
日本列島周辺の海にすむ生き物たち。
単品では地味目な魚なども、こうやって数が揃うと色とりどりで綺麗である。
まとめ&個人的おすすめ見学コース
…はぁ、疲れた。結論、感想としては、建物も展示物もキレイ目、けれど無理して全て回ると疲れる。
まずは地球館よりは短時間で回れる日本館をサラッと見て、お次に地球館の3階の剥製群を見学、あとは使える時間と相談しつつ他のフロアをつまみ喰いでOK。
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アクセス・所要時間など
住所
〒110-8718 東京都台東区上野公園 7-20
アクセス
JR「上野」下車 公園口から徒歩5分
東京メトロ銀座線・日比谷線「上野」下車 7番出口より徒歩10分
京成線「京成上野」下車 正面口より徒歩10分
滞在時間
約2時間15分
※あまり解説を読まず流すように見学しても、全体的に回るとこの時間。
子連れにせよデート目的にせよ、2時間以上ぶっ通しで見学するのは現実的ではないので、ある程度フロア等を絞って見学するのが良い。あ、地球館の3回の剥製大集合だけは必見。
費用
有料
※年間パスポートも存在するが、2019年9月現在で1,500円。1年で3回行って元が取れる。ちなみに恐竜博などの特別展は年パスでは入れず別料金。
飲食
弁当持ち込みの場合、選択肢は3つある。
1 施設内の屋外部分
ベンチ等があるが、夏の暑い日だとシンドイものがある。あとあまり落ち着かない。
2 地球館屋上「ハーブガーデン」「スカイデッキ」
地球館の屋上にはこのようにハーブガーデンが広がり
そのお隣のスカイデッキにはテーブル・ベンチもある。暑い日でなければここでお弁当でも良い。
ちなみにスカイデッキと言っても、そこまで眺望が良い訳ではない。
3 日本館地下1F「ラウンジ」
暑さや寒さをしのげる万能スペース。その分、席の競争率は高い。
外食の場合は周辺にいくらでもレストランがあるが、選択肢が多いので事前リサーチが大切。
地図