都民でも馴染みのない方が多そうな、西武多摩川線・多磨駅。
そんな多磨駅の周辺は、緑地や公園が非常に多く、互いに密接し合っている。
ざっと挙げると
・浅間山公園
・野川公園
・武蔵野公園
・武蔵野の森公園
・大沢の里
これらを全て合わせると、面積だけで言えば、都内最大の公園・昭和記念公園をはるかに上回る規模となる。
そう、多磨駅周辺は、まさに知る人ぞ知る「隠れた都内最大の公園」とでも言うべきスポットなのだ。
そんな多磨駅周辺の様子をレポートする。
多磨駅【2020年より新駅舎にリニューアル】
リニューアルしたばかりの駅舎。注目すべきは個性的な外観だろう。まるでバッタのようだ。
ホームは1階にあるのだが、一度2階に上がる必要がある。
2階はガラス張りの解放感のある造りで、線路を見おろせる。近づいてみよう。
宇宙船のコクピットみたい。
このように、西武多摩川線は線路が「一本」しかない単線。都心の方には珍しいのではないだろうか。
駅前の様子
東口の駅前はロータリーになっている。ご覧の通り、圧迫感のある超高層マンションの類は見当たらない。
駅前をブラブラ歩いてみると、
このように戸建てがメインの閑静な住宅街だ。
駅前の商店街も昔ながらという感じ。
ただ、西口はちょっと特殊で、さすが都立最大の霊園のそばとあって、けっこうな数の石材店がひしめく。
グーグルMAPで「石材」と打ち込むと、ご覧のとおり。セブ●イレブンやドラッグストア、美容院が可愛らしく思えるほどの集中出店。
しかし、これだけ石材店があると、どんな基準で選んだら良いのだろう。
モノがモノだけに割引キャンペーンみたいのはないだろうし…(あっても嫌だが)
周辺スポット
つづいて、駅から少し足を伸ばして各公園や緑地を見ていこう。
多磨霊園
最大の面積をほこる都立霊園。歴史の教科書や小説でしか見たことのないような偉人、著名人も多く眠る。
また、春には桜、秋には紅葉が見事な景観を見せる。
浅間山公園
多磨霊園に隣接する標高80メートルほどの小さな丘。雑木林に覆われていて、ちょっとしたプチハイキングができる。
5月になると、世界でもここにしか自生しない幻の花「ムサシノキスゲ」が咲く。
野川公園
ゴルフ場跡を使ってつくられた都立公園。
散歩する身として最大の見所は、公園の北端にある自然観察園だろう。
都内では屈指の長い木道が整備されていて、初秋にはヒガンバナが絶景。
武蔵野公園
敷地の多くが、街路樹を育てる「苗圃(びょうほ)」というエリアになっている。様々な種類の樹木が整然と並び、独特の景観をつくる。
また、公園を流れる野川沿いにはモミジ並木があり、秋には紅葉に染まる。
武蔵野の森公園
紛らわしいが前述の「武蔵野公園」とは別の公園。
多摩地区の都立公園としては、わりとありがちな景観かな…否。最大の特徴として、真横に調布飛行場がある。
金網一枚隔てて本当に間隣。なので、飛行機やヘリコプターの離着陸を間近に眺められる。お子様連れなら喜ぶのではないだろうか。
昔のWindowsのデスクトップ画面チックな風景も楽しめます。
大沢の里
古民家や巨大な水車があるエリア。田んぼもあり、都内とは思えない里山の風景が広がる。
なぜこんなにも公園・緑地が多いの?
これまで見てきたとおり、多磨駅一帯には公園や緑地がとても多い。これには理由があった。
戦後開発による緑の減少を受けて、東京都主導で計画的に公園・緑地が整備されてきたのだ。
野川公園や多磨霊園を中心に、西は府中の森公園、東は神代植物公園までも含む広大なエリアが「武蔵野の森」として保全・整備されている。
全てのスポットが連続している訳ではなく、飛び地になってしまっている場所もある。が、東京の市街地でこれだけの公園群がまとまっているエリアは貴重な存在だ。
色々な季節に行くと、行ったぶんだけ発見がある。
今後も季節を変えてお散歩したい。
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