あきる野市の隠れ桜名所を訪ねて。川にお寺に公園に
2019年4月9日(火)、東京都あきる野市の東秋留駅から秋川駅まで、社寺や川などの桜スポットをいくつか巡ってきた。
正直、無理に遠方から訪ねるような景観ではないだろう。
第一に、全体的に地味である。一つひとつのスポットが小規模であり、ごく短時間で見学が終わる。
第二に、秋川渓谷の目と鼻の先とあって、都心から相当遠い。東京駅からだとおよそ1時間半程度の長旅となる。
第三に、特に目印となる建物も少なく、住宅地も通るため、地図無しの散策だと厳しい。スマホのGPS、地図機能も駆使しながら散策しないと道に迷う可能性が高い。
以上の理由で人を選びそうな今回の散歩ではあるが、少なくとも平日には殆ど他の花見客を見かけなかった。よって、とにかく人混みを避けて静かに桜を見ながら散策したいという方にはオススメできるかもしれない。また、近くの羽村市や福生市では桜の開花に合わせて祭りが開かれるので、そのついでに来るのもいい。
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詳細:川に社寺に湧水に。東秋留~秋川駅の桜の状況を詳しくレポ!
八雲神社と二宮神社の桜-驚くほど透明度の高い湧水
JR中央線(五日市線)の東秋留駅で下車。改札を出て左手に進み駅の裏手に回ると、数分で普門寺に到着する。何しろ線路沿いという立地のため、駅から近い。枝垂桜が見事だ。

境内はコンパクトである。

こちらの桜も枝ぶりが立派。

普門寺を後にし、八雲神社を目指す。分岐の多い住宅街を歩くことになる。そのため歩きスマホにならないよう気を付けながら、スマホで現在位置を確認しながら進む。

八雲神社に到着。近所の子供たちが遊び回る、小ぢんまりとした神社である。

池を覆うように桜が咲いている。

桜も良いが、八雲神社の見どころは何といっても池だろう。池の底がハッキリと見えるくらい透明度が高く、その透き通った水面に桜の花びらが浮かぶ様子は雅の一言。実は東京都が指定する、東京の名湧水57選の一つである。「池=緑色に濁った水」のイメージを覆す眺めだ。

八雲神社を後にし、二宮神社を目指す。五日市線の線路を渡ればすぐにたどり着く。

二宮神社もまた東京の名湧水57選の一つに選ばれている。八雲神社同様、規模は小さいものの、底まで鮮明に見える綺麗な水をたたえた池だ。写真では中々その美しさを表現しにくいが、実物を見るとその透明さに目を見張るだろう。ただ、池の周りには桜は無いようだ。

道路を渡って社殿へ行くと、数は少ないながら桜が出迎えてくれる。

二宮神社の次は玉泉寺を訪ねる。こちらもひっそりと桜が見守る、小さな古刹だ。それにしても、東秋留駅は駅の周りに社寺が集中している。


続いて廣済寺。下の写真はお寺の入り口。住宅に囲まれてひっそり佇んでいるため、ボーっと歩いていると見落としそうだ。

残念ならが、枝垂桜の見頃は過ぎていた。

平井川-両岸にせり出す桜
廣済寺を後にし、通りを歩いていくと、程なく平井川に到着する。

この平井川は多摩川の支流であり、立派な桜並木がある。立地的に近い福生市の多摩川の桜並木と比べると、両岸に桜が植わっており川幅も狭い。そのため桜が密集して見える桜並木となっている。

両岸とも脇に民家が立ち並ぶが、水の透明度は高い。

民家といっても、大規模なマンションや団地の類は見られないため、のどかな景色だ。

桜並木自体は恐らく1kmと続かず途切れる。次の目的地である草花公園に至るまでの道のりのうち、半分以上は桜のない川沿いを歩くことになる。

進んでいくと見えてくる家々。要塞のような絶壁が印象的である。

河原で遊ぶ子供たち。幼少の頃に自然あふれる環境で遊べるというのは、机上の学習よりも学べることが多いのではなかろうか。

草花公園と秋留台公園の桜
草花公園に到着。そうか公園ではない。そのままズバリ、くさばな公園と読む。

多くは無いが桜の咲く小さな公園で、市民球場・市民プールが隣接する。池には東屋がある。

草花公園脇の通りを南下。右手には広大な畑が広がる。

秋留台公園に到着。小高い丘の頂上にポツンと立つ建物が印象的な公園だ。

秋留台公園は都立公園で、比較的広い。と言っても、東京ドームおよそ2、3個分程度なので、少し歩けばすぐに見て回れる程度の広さだ。

公園の4分の1以上は広大な陸上競技場が占めており、その周りに桜が咲いている。よって、自然あふれる桜スポットといった趣ではない。

秋留台公園を後にし、秋川駅を目指す。五日市街道の眺め。繰り返すが、畑が本当に広い。

ちなみにトウモロコシは辺り一帯の特産品だそうだ。
五日市街道を歩いていくと、あきる野市役所が目に入る。近代的で立派な建物だが、その目の前には相変わらず広大な畑が広がっている。

役所から10分ほど歩けば、散策の終着点である秋川駅に到着。今回の散策は桜だけではなく、小さいながらも社寺あり、湧水あり、川あり、畑ありと、変化に富んだコースだった。冒頭に述べたとおり、全体的に地味な印象は拭えないが、地味な中にキラリと光るこうした要素に惹かれるのならば、一度訪ねてみてはどうだろうか。

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アクセス・所要時間など
●アクセス
JR中央線(五日市線)東秋留駅~秋川駅
●歩行時間
約1時間50分
●費用
無料
●飲食
東秋留駅周辺は飲食店が少ない。秋川駅周辺ならばいくつか飲食店が散見される。外で弁当を食べるならば草花公園か秋留台公園が良いだろう。平井川沿いは桜並木が見事ではあるが、道幅が狭いこと、両脇が民家であることから、落ち着いて弁当を食べられる感じではなかった。
●地図
※実際歩いたコースと若干異なる。とくに、多西橋から平井川沿いに伸びる小径がマップ上では無いことになっている。そのため、地図上では川沿いを通っていないことになっているが、実際には蛇行する平井川に沿って歩いて草花公園に至っている。