秋川渓谷の桜景色がどう見ても都内に見えない件|開花状況も報告【東京・あきる野市】

龍殊院に桜が咲き誇る様子

2019年4月5日(金)、東京都あきる野市の秋川(あき「が」わ、と濁って読むのが正解)周辺の桜を見てきた。

例年の見頃期や当日の開花状況ふくめて、現地の様子や感想をレポートする。

秋川渓谷の桜、清流とお寺と山をめぐる、のどかな散歩

寺社を中心に桜は各所に散見されたものの、大量の桜に囲まれるようなスポットは無かった。

また、 スポット間は距離が離れている上に、道をのぼったり下りたりを繰り返すため体力自慢でないと厳しいものがある。

そんな秋川の春だが、高いビルが皆無であり、山々を背景に、透き通る清流を眺めながらの散策は、心安らぐものである。

「無理にコースをくまなく回ろうと思わない」「桜はついでで、都心にない清流を眺めるのがメインの目的」くらいに思って訪れるのが丁度良いだろう。あまり過度に桜の景観に期待し過ぎると、少しがっかりするかもしれない。

開花状況

スポットによって桜の満開時期にズレがあるようだ。

2019年4月5日の開花状況は下記のとおり。場所により高低差がかなりあることもあり、開花時期がマチマチのようだ。

  • 秋側渓谷沿いの桜(小庄の桜) 満開
  • 光厳寺の桜 早かった。
  • 龍珠院の桜 少々早かった。

例年の見頃

秋川渓谷まではるばる来たなら、やはり大木である光厳寺の桜と、都心では決して味わえない花の寺ぶりを味わえる龍殊院の桜を楽しみたい。なので、オススメは4月の中旬前後の訪問。最新の開花状況はTwitterなどでチェックして。

・秋側渓谷沿いの桜 4月第一週
・光厳寺の桜 4月第二週~中旬
・龍珠院の桜 4月中旬

秋川渓谷の桜の様子をもっと詳しく!

それでは、秋川渓谷の桜の様子をもっと詳しく見ていこう。

武蔵五日市駅から小庄の桜へ

JR中央線(五日市線)の終点である武蔵五日市駅近くになると、車窓からは東京とは思えないのどかな景色が広がる。何しろ東京駅から1時間半の長旅である。

中央線の車窓からの景色

また、五日市線ではこのようにドアが押しボタン式となり、乗り降りするには電車の内外に備え付けのボタンを押す必要がある。日ごろ都心部でしか中央線を利用しない人はビックリするのではないだろうか。

中央線のドア開閉用のボタン

武蔵五日市駅より眺めた風景。山自体にもあまり桜は多くは無く、当然ながら奈良県吉野山の一目千本桜のような光景は望めない。

武蔵五日市駅のホームからの眺め

駅前に出る。あまりお店などは無く、お世辞にも栄えているとは言い難い。

武蔵五日市駅前の様子

通りを右手に進んでいくと眼下に秋川が目に入ってくる。階段があるので降りていくと秋川橋があるので、秋川を渡ってみる。

秋川橋からの眺め

バーベキューランドの横を歩いていく。川沿いの桜は満開のようだ。

秋川にかかるあゆみ橋

あゆみ橋を渡り、駅のあるほうの岸に移動する。さすがに東京と言えど秋川まで来ると水の透明度がかなり高く、橋の上からでも泳いでいる魚が見えるほどだ。清流という名がピッタリの風景である。

水の透明度が非常に高い秋川

川沿いの桜を眺めながら散策する。このあたり一帯は小庄の桜と呼ばれている。のどかな景色と相まって落ち着く風景であるが、桜の本数自体は多くは無い。

秋川沿いの桜並木を歩く様子

広徳寺の桜を目指して

続いて、小和田橋を渡って広徳寺を目指す。が、渓谷の周りを山々に囲まれた地形のため、起伏がかなり激しい。社寺を訪ねようとすると急坂を上ることが多い。

広徳寺に向かう途中の畑の広がる景色

広徳寺山門に到着。ここまで駅からおよそ30分。大きな山門は、昔話に出てくるような佇まいで存在感を放っている。江戸時代中期の建造物と推測されているらしい。

とても大きな広徳寺の山門

ただ、桜はあまり多くは無く、境内も広くは無いため見学はすぐに終わる。広徳寺のベストシーズンは、山門横の大きなイチョウが黄葉する秋だろう。

広徳寺の境内を歩く
広徳寺の境内に咲く桜

それにしても背の高い木だ。ここまで成長するのに何年かかったのだろうか。古めかしい山門と相まって、時の流れを感じる場所である。

広徳寺の背の高い木々

光厳寺の桜を目指して

広徳寺を後にして、再び秋川沿いを歩く。エメラルドグリーンの渓流が美しい。

東京も都心部を離れ都下に入れば、市街地でも透明度の高い河川は見受けられるが、このようなスケールの大きな流れは渓谷ならではだ。

エメラルドグリーンが美しい秋川
泳いでいる魚が見えるほどきれいな水

光厳寺のヤマザクラを目指し、再び急な坂を上っていく。

畑と青空の広がるのどかな景色

心臓を破るかのような急な坂に息切れしながら、進んでいく。

光厳寺へと至る急な坂

と、苦労して光厳寺まで来たのはよいが、肝心のヤマザクラは…おや?早かったのだろうか。あまり咲いているようには見えない。残念。

光厳寺のヤマザクラ
光厳寺の境内

光厳寺を後にして、遠くを眺めると、街が眼下に広がる。つくづく急な坂を上ったのだなと実感させられる。

山々を背景に眼前に広がる街

乙津花の里ならびに龍殊院の桜を目指して

またも秋川沿いに戻って歩を進める。秋川沿いの道は基本的に舗装された道路が多いが、区間によっては未舗装の道もあるため、歩き慣れたウォーキングシューズで歩くのが良いだろう。林道からふと蛇行した秋川に目をやると、透き通った緑色がまるで宝石のような色合いで綺麗だった。どうしてこのような色に見えるのだろうか。

林道から眺めた秋川

ひたすら歩く。一部の林道を除けば、日差しを遮るようなものは少なく、春とは言えど、晴れた日に長時間歩くと汗も噴き出し辛いものがある。

強い日差しの下、川沿いを歩く様子

また、前述のとおり、社寺巡りをすると何度も上ったり下りたりを繰り返すことになる上に、桜の見頃タイミングがスポットによって異なる。また、社寺については一つひとつは小さな規模であり、すぐに見学が終わってしまう。したがって、全てのスポットを無理して徒歩で回ることにこだわる必要は無いと思う。狙ったスポットの桜の開花状況を観光協会に尋ねるなどして、巡る場所を絞るか、あるいはバスも使いながら散策するのが良いだろう。

養沢川近くの徳雲院。参道に桜がポツポツと咲いていたが、境内に入るにはこれまた急な坂を下って行く必要がある。下るということは、帰りには当然だが上ることになるわけで、すでに体力的に厳しくなっていたため今回は通り過ぎることにした。

徳雲院の入り口

今回最後の目的地である乙津花の里ならびに龍殊院に到着する。

龍殊院の入り口

花の寺と形容するにふさわしい、素朴でありながら華やかさのある小さなお寺である。枝垂れ桜はまだまだ満開には程遠い状態で、この枝垂れ桜が満開かそうでないかで景観が大きく変わってくるため少し残念だった。先ほど述べたとおり、秋川の桜の名所は一回のタイミングで全てをベストな状態で鑑賞するのは難しいと感じた。

龍殊院のピンクの花

境内は小さいため、すぐに見学は終了する。なお、ここ龍殊院は武蔵五日市駅から寄り道をせずとも歩いて1時間以上は掛かる。

龍殊院のすぐ傍に広がる、乙津花の里。その名に恥じることのない、ピンク色がポツポツと咲くのどかな風景だ。

乙津花の里ののどかな花の景色

龍殊院から歩いて10分ほどのところに荷田子バス停があるので、そこで西東京バスにのって武蔵五日市駅へと向かう。なお、荷田子バス停の武蔵五日市駅方面は標識も小さく、少し分かりにくい。檜原街道を武蔵五日市駅に向かって歩いて橋を渡ったところにポツンとバス停の標識が立っているので、見落とさないように注意が必要だ。長い小旅行もこれにて終了だが、時間がある方は、龍殊院から歩いて15分ほどのところに瀬音の湯という温泉施設があるので、汗を流しながら疲れた体を癒すのも良いだろう。

なお、今回の散策の際に使った地図は「秋川渓谷 春・夏」というリーフレットに掲載されている。あきる野市のホームページの観光マップページからもダウンロードできるし、武蔵五日市駅にも設置されていた。

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アクセス・所要時間など

●アクセス
JR中央線(五日市線)武蔵五日市

●歩行時間
社寺の見学時間も含めて約4時間

●費用
無料(瀬音の湯は有料)

●飲食
今回のコースは社寺中心であり、秋川沿いも腰を落ち着けて座れる場所はとても少ないため、お弁当持参でもゆっくり食べられる場所を探すのが大変そうだ。道中、気になる飲食店がいくつかあったが、お店の数は多くは無い。事前の営業日確認は必須。

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