都庁の展望台は高さ地上202メートル、45階に位置し、びっしりと林立する新宿の超高層ビル群を、逆に見下ろすことができる絶景スポットだ。
都内には展望台の類はたくさんあるわけだが、このレベルの規模感・景観でなおかつ無料のスポットはかなり珍しい。さすが東京都、カネ持ってるゥ!という感じだ。
混雑状況、新宿駅からのアクセス方法とともに、現地の様子をレポートする。
都庁45階展望台は昼も夜景も絶景【これで無料】
まずは現地の雰囲気はこちらの動画をどうぞ。
凄いのは、この眺めを無料で楽しめる点である。

もちろん、夜景も期待を裏切らない見ごたえのある光景だ。とくに夜景だと東方面が景色が良い。
新宿駅から比較的近いという立地もあり、東京都内の無料展望スポットの中では、群を抜いて人気の展望台と思われる。が、ただですら観光地という意味では目玉スポットが少なく、微妙な立ち位置(と少なくとも都民の私には思える)新宿において、都庁のあるエリアは更に周辺に何もないのが難点。せいぜい新宿中央公園くらいだ。
歌舞伎町や新宿御苑など見どころになり得るスポットは、JRの線路を隔てて反対側にあり、歩いて行くと20分前後かかる。
なお、展望室は年中無休ではない。「都庁展望室開室カレンダー」で検索し、事前に開いているかどうか確認したほうが良い。
都庁展望台の混雑状況
無料かつ海外からの観光客も多いこともあり、平日から休日まで、昼から夜間まで、いつ行ってもそこそこ混雑している。具体的に見ていこう。
1階・展望室直通エレベーターの混雑状況
1階の直通エレベーター前に行列ができるわけだが、特に混雑すると思われる条件は、下記のとおり。
- 平日よりは休日のほうが混雑
- 夕暮れ~夜早めだと夜景狙いで混雑
- GW、夏休み、年末年始は旅行客増で混雑
ただ、上記はあくまで目安。
例えば、私の訪問時は、土曜(休日)かつ16時半(夕暮れ時)という条件だったが、エレベーターは20分程度の待ち時間で済んだ。
逆に、上記以外の時間帯であっても、海外観光客の団体さんに巻き込まれたりなどで、30分~1時間待ちになることもあるようだ。団体客に巻き込まれるのは日・時間関係なくいつ生じてもおかしくないことで、こればかりは運としか言いようがない。
運悪く長蛇の列、でも諦めきれない…という場合、都庁1階の東京観光情報センターや全国観光PRコーナーで時間をつぶして再チャレンジ、という手もある。観光パンフレット類が持ちきれないレベルで大量に置いてあり、時間つぶしには丁度良い。
45階・展望室内部の混雑状況
1階にて展望室に一度に入る人数の調整が行われ、展望室内がギュウギュウにならないよう工夫されている。そのため、混雑時、眺めの良い場所でも、少し待っていれば人が少なくなる瞬間があり、窓辺に近寄るチャンスが十分にあった。
そもそも都庁展望台は、都内の展望台としてはスペースが広い部類に入るだろう。何しろ、四方に窓がついていて、あらゆる方角を眺めることができる。ということは、人もそれだけ分散する、ということだ。
新宿駅からのアクセス方法【西口が正解】
最寄り駅としては、大江戸線の都庁前駅で降りれば真ん前が都庁なのだが、新宿駅からでも10分ほど歩けば都庁へ行ける。ただ、新宿駅は広大で複雑、さながらRPGのダンジョンである。行き方には一つだけポイントがある。
それは、JR「西口」を使うことだ。「中央西口」でも良いが、「西口」がベストだ。西口を出ると、丸い大きなロータリーがあるので、ロータリーの左側に沿って進む。頭上に「東京都庁方面」と案内が出ているので見逃さないように。

ロータリーを過ぎると、すぐに長い直線の地下通路が現れる。通路右側には動く歩道も整備されている。ここまで来れば道に迷うことはまずない。

地下通路をまっすぐ進んで外に出れば、左手に都庁が見える。なお、地下通路は都庁に直結しておらず途中で外に出てしまうため、雨の日は傘が必要になる。

都庁展望台の様子をもっと詳しく!
それでは、現地の様子をもっと詳しく見ていこう。
丹下健三氏の設計による豪華な外観
まずは外観を見てみよう。あらためて、非常に立派な建築物である。正面は広々とした円形広場になっており、剣闘士とライオンが死闘を繰り広げそうな空間である。

正面から見ると、高層ビルに2本の角を付けたような、ロボットのような独特の風貌だ。球体が特徴的なフジテレビ本社ビルも手掛けた世界的建築家、丹下健三氏の設計による。2年半の歳月をかけて、1990年に完成。まさに東京版サグラダファミリア。

都庁の外壁には、贅沢にもスペイン産とスウェーデン産、二種の花崗岩をたっぷりと使用。…って誰も読まない高級チョコレートの説明かよ。
ちなみに、細かな横長・縦長の格子状の窓がビッシリ備え付けられた外観デザインは、「江戸以来の伝統的な形を思い起こさせる」そうですが…。すみません、思い起こされませんでした。やっぱロボにしか見えない。それかハンダ付けの基盤。
さて、外観の見物はこのくらいにして、中に入ろう。どうでもいいが、入口がやたらと横に長い。さすが我らが都庁、懐の広さを感じさせる入口ですな。
都庁の展望室は2つに分かれており、向かって左が南、右が北展望室への直通エレベーターだ。

南展望室:カフェやピアノがある
さっそく手荷物検査を受けてエレベーターに乗り、南展望室から見学する。フロア全体を見渡すと、コーヒー・軽食店と土産物屋が少しある程度で、座れる場所も少ない。

そのため、このように眺望は素晴らしいが、長居するような場所ではない。

窓は色々な方角にあるため、様々な景観を楽しめる。また、各所に案内板があり、窓から見える建築物や山々の名前が分かるようになっている。

下を見下ろすのも楽しい。ミニチュアのようだ。シムシティのBGMが脳内再生されるのは私だけではないはず。

窓の周りはこんな感じだ。

唐突にフロアに置かれた「おもいでピアノ」。2019年4月8日の南展望室リニューアルオープンに伴い設置されたもので、ピアノ利用可能時間中は誰でも5分ほど弾くことが出来る。

ウォータークーラーがあり水が飲める。持参したマイボトルにも水を補充できるようになっているのは珍しい。

北展望室:眺望的には南と大差ない
エレベーターでいったん下に戻り、続いては北展望室へ。

こちらは土産物屋のほか、レストランもある。

正直なところ、眺望はパっと見は南展望室と大差無い。南北展望室のどちらか一方を見学すれば十分だろう。

立つ位置によっては、このように窓越しに同じフロアにいる人を見ることも出来る。フロアが単純な長方形ではなく、複雑な形をしている証だ。

夜景も外せない【デートにぴったり】
都庁の展望台といったら夜景は外せない。
※画像はすべて南展望室のもの。
ほとばしる近未来感。
無数にきらめく街の光が、特大のイルミネーションとなって。
ライトアップされた都庁を外から眺めるのも素敵だ。上空の雲に青いライトが反射して、まるでバットマンの1シーンのようだ。
都庁は中もバブリー【内部の吹き抜け】
エレベーターで降り、都庁の吹き抜けを撮影した様子。

謎のオブジェ。なかなかでかい。
東京観光情報センター:東京の観光情報が集合!
1階には展望室直通エレベーターのほか、東京観光情報センターという所がある。東京都内全体の観光案内所といった所で、各市町村のパンフレットが持ちきれないほど置いてある。混雑がひどく、直通エレベーターの順番待ちが長い場合、いったんコチラで時間をつぶすという手も。
周辺スポット
都庁の展望台からの眺望を楽しんだ後、または前に、以下のスポットも合わせてどうぞ。
新宿中央公園
眺望抜群な都庁であったが、オフィス街という事もあり、歩いてすぐの所に他の見所があるわけではない。
ただ、見所にはならないが、都庁の目の前に中央公園という比較的大きな公園がある。普通の公園だが、弁当を食べるのには最適だ。また、都心にしては大型の遊具があるため、子供と一緒なら都庁と合わせて楽しめる。
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新宿御苑
都庁からは徒歩20分強かかる。新宿駅にほど近いわりと広い公園。四季折々の景観を楽しめる。
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アクセス・所要時間など
住所
〒163-8001 東京都新宿区西新宿2丁目8−1
アクセス
JR各線「新宿」下車 西口より徒歩約10分
都営地下鉄大江戸線「都庁前」 徒歩すぐ
滞在時間
1つの展望室につき10分程度
費用
無料
飲食
都庁周辺に飲食店はあまりないが、新宿駅周辺まで戻れば飲食店は無数にある。なお、平日ならば都庁内の職員向け食堂が利用できる。ただし、都庁舎1階、又は2階で、氏名、訪問先等を記入し、一時通行証の交付を受ける必要がある。都庁の目の前の中央公園で持参した弁当を食べるのも良い。
地図