2019年8月18日(日)、東京都西東京市にある多摩六都科学館(読み方、たまろくとかがくかん)に子供と行ってきた。
多摩六都科学館、世界一のプラネタリウムを持つ科学館の「西の雄」
昆虫、人体、機械、宇宙、地球…。何だか図鑑の世界観をそのまま現実にしたような、世界一多くの星を投影できるプラネタリウムを備える西東京市の科学館だ。
同じ多摩地区にある科学館であるコニカミノルタ サイエンスドーム(八王子市こども科学館)と比べると、お勉強感はやや強めで、規模もやや大きい。
大きいと言っても、幼児にとっての見どころとなりそうな展示室は地下1階に集中。1階は展示物が無いし、2階は説明系の展示物がメインだ。まぁ、千代田区の科学技術館のようにやたら広過ぎると親もグッタリするので、小さな子連れには丁度良い施設のサイズ感と言えよう。
展示物の内容としては、体験系と説明系の展示物が程よく混在しているため、子連れだけでなくカップルのデート目的でも使い勝手は良さそうだ。
ただ、最大の難点としてはアクセスに難があることだ。陸の孤島みたいな立地なので、公共交通機関で来る場合、バス利用が前提となる。
対象年齢は?
体をそれなりに動かせることと、理解力が求められ、本格的に楽しめるのは、小学生でもある程度読み書きが出来るレベルの子供から、といった印象。小さな子供でも全然遊べないという事は無いが、少なくとも5、6歳くらいからでないと楽しめるコーナーは限られると思って行くのが丁度良い。
混雑状況は?
訪問したのは小学校の夏休み期間中の日曜日。さすがに多少は混んでいた。施設全体的に見れば、「混み過ぎてどの展示も満足に見られない!」というほどの混雑ではなかった。
具体的には、
- 入館時とくに行列は無かった。
- プラネタリウムは満員の回も見受けられる。
- 月面歩行体験など人気コーナーは並ぶが、長蛇の列ではない。
- 13時頃、昼食のため休憩室で難なく席を確保。
では、大混雑はしない科学館なのかと言えば否で、Twitter等をウォッチするに、下記日程は混雑が予想される。
・連休
・天気の悪い休日
ただ、普通の土日でも遠足などに巻き込まれて混雑する日もあるようだ。運悪く大混雑に巻き込まれ、入館前から長蛇の列だった場合、子供連れなら行先を小金井公園に変更するのはどうだろうか。花小金井駅までバスで行き、そこから「小金井公園西口」行きのバスに乗り換え。多摩六都科学館から小金井公園まで30分ほどだ。ソリゲレンデはじめ遊具類が充実していて、1日遊べる。
小金井公園に子供と行ってきた様子は、本記事の終わりのほうにリンクを貼っておく。
なお、雨の日など天気が悪い日は、多摩六都科学館が大混雑なら小金井公園へ回避!…という手が使えないため、とくに遠方にお住まいの方は、雨の日は極力来館を避けることをオススメする。
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多摩六都科学館の様子をもっと詳しく!
それでは、多摩六都科学館の様子をもっと詳しく見ていこう。
周辺の様子【スカイタワー西東京が目印】
公共交通機関でのアクセスは便利とは言い難い。
最寄り駅である花小金井駅から徒歩20分ほどだが、猛暑日のこの日は歩く気にもならず、バスを利用した。が、バス停からもソコソコ歩く。
行き方は複数あり利用路線によって異なるため、詳しい周辺地図やバスの案内は公式ホームページを参照されたい。
一つヒントを言うならば、多摩六都科学館に隣接して「スカイタワー西東京」という、東京スカイツリーのバッタモン的な名称のタワーがそびえ立つ。(1989年完成と実はこちらの方が大先輩である)
畑も点在する一帯において高さ195mという場違いにデカい電波塔であり、これを目印にして歩けば辿り着けるだろう。ちなみにこのタワー、残念ながら一般の見学は受け付けていない。
建物の外には庭が広がり、このようなオブジェがあるが、単なる遊具ではない。
まるで簡易的なプラネタリウムのような小さな穴が無数にあいた黒い球体など、
小さな子供の遊具のようでいて、実はシッカリ科学している。
階段を下りて、館内の地下1階が入口となる珍しい構造。
ちなみに、多摩六都の六都(ろくと)とは何?についてだが、名前の由来は至ってシンプル。北多摩地区の6市が共同でつくり上げた科学館であることから、多摩の6つの都市、略して「たまろくと」だ。
館内マップを確認
御覧のとおり、館内は地下1階から2階までの3階構成。
- 地下1階…体験系展示物が充実。小さい子供でも遊べる。
- 1階…カフェと休憩スペース
- 2階…プラネタリウムと展示物。体験系展示は少ない。
なお、今回載せた写真は展示物の一部のみ。さすがに全部載せるのは面d…行ってからのお楽しみということで。では、さっそく地下1階から見て行こう。
アスレチック的な巨大構造物
科学館入口から入って左手には謎のオレンジ色の円柱がある。
天井をぶち抜いて地下1階~2階まで伸びる大きな円柱、これは何だ?
正体は大きなアスレチック的なもの。柱の中を子供が上り下りできるようになっている。
柱に沿うようにらせん階段が設けられており、柱の中の子供を見守れる仕様。
話をあまり聞けない小さな子供がウッカリ中に入ると中々出てこない(こられない)ので注意。まるでネズミ捕りである。
「ロクト大昆虫展2019」期間限定の企画展
入口の左奥にあるイベントホールでは期間限定の昆虫コーナーが。
2019年は9月1日までの期間限定。
ワンフロアのみで、サクッと見られる。
基本的に標本展示がメインだが、
生きたカブトムシ、クワガタムシも少しいた。
ちなみに、デカい虫の標本を見てると、「凄いなぁ」という感想に先立って、「自分の部屋の中にいたらイヤ過ぎる」と思ってしまうのは私だけだろうか。純粋な子供の心は遠い過去に置いてきたようだ。
「チャレンジの部屋」月面歩行体験も
何だかブラック企業に存在しそうな名前のゾーンだが、物体の運動などについてアレコレ学べる。
角度の異なる坂でボールを転がすと…
同じ1kgでも、重力の異なる他の星では軽く感じたり、重く感じたり。
大きなロケットの中は
上に登れる。
他にも色々と展示物があるが、順番待ちが出来るほどの一番人気はコレ。月面歩行シミュレーター「ムーンウォーカー」だ。
重力の小さな月面体験ということで、ちょっと飛んだだけで高くジャンプできるスーパーマリオ的な装置だ。(身長・体重制限アリ。身長110cm以上、体重22kg以上70kg未満)
「からだの部屋」感覚ゲームなど
続いてゾーンを移動。からだの部屋を見て行こう。
ひときわ目立つサファリパークのバスみたいな乗り物。
せっせと列に並んでトライ。古めかしいポリゴンでできた道を走り、生命の進化の歴史を辿る。小さな我が子には難しかったようで、せっかく並んだのに速攻で飽きる。
部屋に傾きが付けられており、真っすぐ立てない三半規管ヤラレ系コーナー。長居すると酔いそうになるので注意。
なんとボタンを押すだけで血管・神経・内臓・筋肉と4つもモードが選べちゃう!…高田社長の甲高い声が聞こえてきそうなハイテクなマネキン。
「しくみの部屋」生活を支える仕組みを学ぶ
薄暗い照明のゾーンの中に、しくみにまつわるアレコレが展示されている。
ミニリニアモーターカーを操作できる。
水道管の輪切り。
管を通って上に登れる。土管から顔をのぞかせる我が子を見ていると富永一郎氏を想起してしまう、そんなジェネレーションです。
ピアノとか、腕時計とかの仕組みも。「あれ何?これ何?」系の息子がもっと食いつくかと思ったが、そこまで夢中にはならず。もっと触って試して仕組みを理解するギミック系展示物が豊富にあればなお良かった。
科学館のお約束、ピタゴラ装置。
自転車を漕ぐと街に明かりが灯るという、北斗の拳の世界観を体現したようなコーナー。
目を引く乗り物のようなコーナー。列ができることも。が、近くにいた小学生のお兄ちゃんが「乗って画面見るだけだよ」と一言。やはり元気の塊のチビッ子にとっては、映像系は体験系の展示物より不評なのかもしれない。
「自然の部屋」昆虫など生き物について学ぶ
2階は静的な展示物が多くなり、体を動かすような展示物はあまり見受けられない。なので小さい子供には少々退屈かも。
昆虫標本や、
ちょっとした魚の展示もあるが、水族館というほどの規模ではない。
「地球の部屋」地球について学べる
こちらのコーナーも映像など静的展示物がメインで、
体を動かしたい我が子はハレー彗星のように部屋をスルーしていく。
センター試験で地学を選んだことが思い出される石の数々。
世界一のプラネタリウム
地味に投影可能な星の数世界一のプラネタリウムは、特に夏休み期間中はすぐに満席になる。ネットを見ると、10時スタート回は開館前に並ばないとダメらしく、ネズミの王国を彷彿とさせる。
プラネタリウムのほか、大きなスクリーンを活かした大型映像(シアター)も上映される。
カフェと持ち込み飲食OKの休憩室
1階には展示物は無い。カフェと無料休憩スペースのみ。
休憩スペースはテーブル席と、
靴を脱いであがれる座敷がある。
いずれも持参した弁当を食べられるので有難い。
混雑していた訪問当日の13時頃、まったく座れない!ということは無かった。運悪く満席でも時間を多少ずらせば、どうにもこうにもならない、とはならないと思われる。また、後述するように2階の実験ショーコーナーが、日によっては持ち込み食事スペースとして開放されていることもある。
「図書コーナー」は臨時休憩スペースになる場合も
2階には小さな図書コーナーがある。子供が自習できる年齢になれば活用できるかもしれない。
2階の実験ショーコーナーはランチスペースとして利用可能な場合がある。1階の休憩室が満席の場合、開いていればこちらでご飯にするのも手。
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アクセス・所要時間など
住所
〒188-0014 東京都西東京市芝久保町5-10-64
アクセス
西武新宿線、西武池袋線、JR中央線の複数の駅からバスでアクセスする。公式ホームページに詳しく掲載されている。
見学時間
約4時間40分
費用
有料
飲食
館内にはカフェレストラン「なおきち」があるが、無駄にシャレオツで高め。科学館の食事処にお洒落はそこまで求めていないのは私だけか。小さな子連れでも遠慮なく入れて安ければそれで良いのだが…。
科学館周辺には多少歩けばレストランが点在する。当日なら再入場可能なのでランチは外食でという選択肢もある。
が、子連れならそんな面倒なことはせず弁当持ち込み一択だろう。周辺にスーパーはなく、コンビニも多少歩くので事前に調達・持参する必要がある。
公式HP
https://www.tamarokuto.or.jp/
周辺スポット
多摩六都科学館に行ったら入館前から行列!…子連れでそんなときは、小金井公園に行き先変更するのもアリだ。
小金井公園
都内では珍しいソリゲレンデはじめ、遊具類が多く、1日遊べる。ちなみにソリは無料で貸し出されるので手ぶらでOK。
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