美術館として復活した旅館・河鹿園がただただエモい【東京・青梅市】

2020年11月19日(木)、東京都青梅市にある河鹿園(かじかえん)に行ってきた。旅館としては閉館したが、いまは書画等のギャラリーとして復活している。

現地の雰囲気を、動画やたっぷりの写真とともにレポートする。

追記:2023年4月に美術館としてもいったん閉館した河鹿園ですが、2023年11月現在、企画展が開かれる期間限定でオープンされているようです。

次回の企画展は2023年11月15日(水)~2023年12月17日(日)、詳しくは青梅市観光協会HP>トップページ中ほど>イベント情報をご確認ください。

情報を教えて頂いたフォロワー様、有難うございました。

閉館後に美術館として復活した旅館・河鹿園がエモい【概要】

猫も杓子も「エモい」と言えば何とかなると思ってる諸君、これが「エモい」だ!

机に映る紅葉。

眼下に見下ろす御岳渓谷。

歴史を感じる建物のたたずまい。

すぐに手の届く場所にサラリと展示された書画の数々。

これをエモいと言わずして何という。「エロい」じゃないですよ、「エモい」ですよ、テスト出るよここ!

…すみません、興奮のあまりテンション高まりました。

つい近年まで旅館として稼働していた河鹿園。いまは客室を利用した書画のギャラリーとして生まれ変わっている。

建物は渡り廊下でつながる複数の棟からなり、外観以上に広い。ゆっくりと見て回ればかなりの見ごたえ。

建物は何気に国の登録有形文化財だそうで。青梅市と観光協会は中心市街のみならず、青梅市の街全体をレトロテーマパークとしてプロモーションしたほうがいいんじゃない?もっとPRしましょう(余計なお世話)

JR御嶽駅から徒歩0分という非常に好アクセスなので、江戸東京たてもの園などレトロ建物が好きな方はぜひ一度訪ねてほしい。

現地の雰囲気はこちらの動画をどうぞ。

営業日時など注意点

2020.11.20時点の情報は下記のとおり

  • 月、火曜日は休館
  • AM11時~最終入館15時
  • 会期が終わり次の会期までは休館

常設展示はなく、基本的に会期ごとに展示内容が切り替わるようだ。で、会期終了から次の会期までは休館と伺った。

何しろ本記事執筆時次点では公式HPが存在しない幻の施設。訪問前には必ず青梅市観光協会等でオフィシャルな営業情報を入手するようにしたい。

それでもよく分からない場合、直接河鹿園さんまで確認するのが安全だろう。せっかく御嶽まで行って休館は辛い。



河鹿園の様子をもっと詳しく【詳細】

それでは、現地の様子をもっと詳しく見ていこう。

河鹿園(かじかえん)とは

2017年までは老舗の割烹旅館だった。なるほど、食べログ等にも当時のレビューが散見される。旅館としてのレビューも高く、ぜひ泊まってみたかった。

今では旅館としては廃業しており、書画などのギャラリーとなっている。

建物は複数の棟からなるが、最古のものは大正14年頃の建築という。ほかのものも昭和初期の建築で、まさに大正ロマン、昭和レトロを体現したスポットと言える。

アクセスはJR御嶽駅から徒歩0分

徒歩0分はやや盛ってますが、にしてもホントに「目と鼻の先」とはまさにこのこと。御岳山登山の帰りにもフラッと寄れちゃうような立地だ。

御嶽駅前を走る道路を、信号を渡って左手に進めばすぐに入口に到着する。

河鹿園の入口前の風景。御岳橋が見える。

正面入口の様子。建物群が奥に続くが、正面からは見えないため、初見だとそこまで広くないように見える。

ちなみに河鹿園の建物群を多摩川の対岸から見るとこんな感じ。ホント渓谷沿いにあることが分かる。しかも高さがある。なので、部屋からの景色が絶景となる。

見どころ① お部屋と御岳渓谷の眺め

これですよ。渓谷の向かいの玉堂美術館の大銀杏がまた風流。

いいねぇ…元旅館だけあって、お部屋からの眺めはちょっとした旅行気分になること請け合い。

ザ・旅館といった風情がいいですね。

こちらの天井には屋久杉が使われているそう。

いろいろなお部屋で眺めの違いを楽しむのもまた一興。

これが普通の旅館ならば部屋は選べず、「今回の部屋は眺めがアタリだった」だの何だのとなるところ、ここは「元」旅館の美術館。

どのお部屋も好き放題見放題なのである。

今回は紅葉の盛りだったので、別の季節にもぜひ再訪したい。

お風呂もちょろっと覗いてみました。

いいですね~。あふれるレトロ感。

見どころ② 書画や生け花の展示

書画ギャラリーということで、この日は日本画家の大家・川合玉堂氏の作品・コレクションが展示されていた。

…えっと…。普通の美術館では重厚なガラスケースの向こうに芸術作品が飾られているものですが…むき出しって…素敵か!

撮影NGな美術館も多い中、「接写でなければどうぞ!ブログ掲載?私はネット詳しくないのでぜひぜひご紹介ください」…ご主人、素敵か!

客室の机のうえにさり気なく置かれた展示品。おいギンギラギンにさり気なくとか言ってる場合じゃない、さり気ないってのは、こーいう事を言うんだよ!

かつて多くの旅客が舌鼓を打ったであろう大広間も、このとおり壮観なギャラリーに変身。圧巻ですねこれは。

要所要所に配された生け花。私は1㎜も心得が無いですが、綺麗なものは心がほっとしますね。

見どころ③ 階段・通路の佇まい

階段や廊下に萌え属性のある方は悶え死なないよう注意が必要。

複数の棟からなる河鹿園は階段や廊下が多く、思わず写真の枚数が増えます。

見どころ④ がらくた市?!

もとは旅館ということで、不要になった食器や調度品が「我楽多(がらくた)市」と称して販売されている。

廊下でさり気なく売られていたり、

一部屋まるまる販売会場になっていたり…相当大きな旅館だったのだろう、食器の量も相当なもの。

「売るほどあるよ」という言葉があるが、文字通り売るほどある。っていうか実際に売ってます。

鏡台などの大物も。クルマじゃないとちょっと持ち帰れないですな…。

売上は建物の保存に利用されるという。訪れた平日、私もふくめお客さんは数えるほど。経営も大変なのだろうか…青梅市!!出番ですよ!!国の重要文化財なんだから!!

しかしそのひっそりとした穴場な感じがまた良い味を出しており、流行って欲しいような、このままでいて欲しいような、複雑な気分ではある。

見どころ⑤ 気になる小物

レトロ小物の横綱(と勝手に命名)こと黒電話。

たくさんの本に囲まれて。

「大広間」の札。あぁー、旅館っぽい。

照明もイイ感じ。

お風呂の前にあった体重計。草刈正雄クラスで激渋。惚れるぜ…。

各種解説が御主人お手製と思われるのはご愛敬。青梅市と観光協会、ちゃんとこーいうの整備しなさい(大きなお世話二回目)。あっ、でも、これはこれで味があって私は好きですよ。

終わりに

旅館という役目を終えても、違う形でまた人々を楽しませる。

「己にはこれしかない」と思った道が途切れても、また別の道を切り開き、歩んでいく。

建物鑑賞、芸術鑑賞にくわえ、なんだか人生勉強でもしたかのような気分に浸りつつ、帰路につくのであった。



周辺スポット

河鹿園を見たら、下記スポットにも合わせて行ってみては。

玉堂美術館

河鹿園の対岸にある美術館。こぢんまりした規模だが、多摩川の流れを表現したという石庭が非常にうつくしい。

玉堂美術館の様子

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御岳渓谷

河鹿園を出てすぐに遊歩道入口。ほぼ舗装されているので、四季折々の自然の美しさと、エメラルドグリーンの清流を横目に気軽に散策できる。

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住所・所要時間など

住所
東京都青梅市御岳本町335

アクセス
JR青梅線「御嶽」下車 徒歩すぐ

滞在時間
ゆっくりと各お部屋を見学して1時間15分ほど。書画はさらっと拝見したが、展示物まで丹念に見ると1時間では収まらないだろう。

費用
有料

飲食
飲食店は多くは無いが、風情のあるお店がいくつか。事前に下調べはぬかりなくしたい。弁当持参で御岳渓谷で食べるのも。

紅葉シーズン等、混雑シーズンの週末は人出も凄そうなので、外食の場合は予約、弁当の場合は小さなレジャーシート等があると安心だろう。

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