開成町あじさいの里の見頃期と開花状況。実は、日本一のどかな紫陽花名所【神奈川観光】

ピンク、青のアジサイの背後に広がる開成町の田園風景

概要:あじさいの里・開成町は日本一のどかな紫陽花名所【見頃期と開花状況も報告】

2019年6月13日(木)、神奈川県の足柄上郡にある開成町にアジサイを見に行ってきた。訪れた当日の開花状況は満開まであと一歩といったところで、十分に楽しめた。

開成町あじさいの里のアジサイの数は、およそ5,000株であり、例年の見頃は6月上旬~中旬頃だ。

この時期にはアジサイ祭りが行われ、あじさいの里をはじめ近隣スポットをつなぐシャトルバスが走る。だが、祭り期間は短く、その間に満開になるとは限らないのが花の難しいところだ。公式ホームページやツイッター等で開花状況を確認して臨みたい。

さて、東京都内でも1万株クラスのアジサイが咲く名所がいくつかあるのに、わざわざほとんど小田原という立地の開成町に、5,000株のアジサイを見に行くのはちょっと…と思うかもしれない。

だが、開成町あじさいの里ならではの景観が、そこにはあった。田んぼと田んぼを縫う用水路の涼やかな音。鳥のさえずり。

音を立てて流れる用水路

たまに香る、青臭いような葉のにおい。田を駆け抜けていく風。

あぜ道に沿って咲くハナアオイ

そして、山に囲まれた田んぼに沿って咲くアジサイ。開成町あじさいの里は、日本で一番のどかなアジサイ名所なんじゃないか…。別に日本のアジサイスポットを全て見て回った訳ではないが、ここまで田んぼにアジサイが植えられている場所というのは、全国的に見ても珍しいのではなかろうか。花の名所の印象は、単純な花の数だけでは決まらないとつくづく思う。

アジサイの向こうの田んぼ、そして奥に見える山々

近隣には松田山ハーブガーデンという絶景が拝めるスポットがあるが、 ( 松田山ハーブガーデンの記事はコチラ )

松田山ハーブガーデンの大パノラマ

正直、徒歩圏内では紫陽花以外に大きな見所は存在しない場所である。それを承知の上で、「田んぼとアジサイの風景に触れられたらそれでいい」と感じたら、行ってみる価値は十分にある。



詳細:開成町あじさい2019の様子を詳しくレポ!

新松田駅から歩いてアクセスしてみた

アクセスには小田急線の新松田駅を利用した。快速だと次の駅が小田原という立地で、さすがに都心からは遠い。アジサイ祭り期間中は開成駅からシャトルバスが出るので公式ホームページを要チェック。

新松田駅前のロータリー

今回は新松田駅から歩いた。北口で下りて、駅前の通りを左に進み、

新松田駅前の道路

信号を左に曲がってまっすぐ進む。

小さな十字路

大きな橋、十文字橋をわたる。この川、酒匂川という。名前だけ聞くと酔っぱらいそうな川である。

大きな橋の入口

橋からの眺めは心落ち着くものがあり、

橋から眺めた川と山なみ

小田急線やロマンスカーが鉄橋を走る様子も見ることができる。

鉄橋を渡る小田急線
鉄橋を渡るロマンスカー

橋にはアジサイのイラストが描かれていた。

歩道のアジサイのタイル

橋の先の十字路に、「あじさいの里」の案内板が。開成町も観光資源として大切にしていると見えて随所に案内があるため、駅からあまり迷う心配は無いだろう。

十字路に立つあいさいの里の道標

案内に従って進むこと駅からおよそ25分、茶畑の前を通り過ぎると、

山並みを背景に広がる茶畑

あじさい農道に到着

あじさいの里に到着。

見えてきたアジサイの里
入口に行灯が立つあじさいの里

たくさんのアジサイがさっそくお出迎え。

アジサイが整然と並ぶ道

田んぼとアジサイ。

ピンクのアジサイと田んぼ

少しだけだが菖蒲も。

アジサイの小径の下に少しだけまとまった菖蒲

山下清が向こうから歩いてきそうな、ノンビリとした紫陽花風景である。

アジサイの小径が続く先には山が広がる

民家は見えるが、景観を損ねるような大規模マンションは見当たらない。

アジサイの小径の先にある一軒家

道は単純な一本道ではなく、何枚もある田んぼに沿ってアジサイが植樹されており、行き帰りで違うルートを通ることができる。

アジサイの小径にある露店

ちなみに一帯の田園地帯の面積は東京ドーム3.6個分で、アジサイが植えられている道の総延長は10.6キロというから壮観なわけだ。

青いアジサイと田んぼ

紫陽花祭り本部「あじさい公園」周辺を散策

実は2019年の開成町あじさい祭りは6月1日~6月9日までだった。訪れた6月13日はすでに祭りは終わった後だったが、祭り本部のあった「あじさい公園」へと行ってみる。

アジサイ祭りのアーチ門

道の脇には用水路が流れており、

行灯の立つアジサイ小径

涼やかな音を響かせている。

勢いよく流れる用水路

小径をはさんで用水路の反対側には田んぼが広がっており、

アジサイの並ぶ道の脇は田んぼ

このようにアジサイ、田んぼ、山、というのどかな景観をつくっている。

薄紫のアジサイと田んぼ

用水路にかかった橋。

用水路の一角が池のようになり橋がかかっている。周りにはアジサイ

さらに進む。ちなみに田んぼなので言うまでもないが、木陰は一切無い。帽子など日差し対策は必須だ。

左手に民家、右手に田んぼのアジサイ小径

ひときわアナベルが沢山植えられた小径。その近くには、

両側をアナベルに囲まれた小径

謎のドリルのような巨大な機械。発電機か何かだろうか。その奥には、

勢いよく水を撹拌する細長い機械
正面から見た機械

あじさい祭り本部があった「あじさい公園」会場だ。祭りは終わったが、昼時には弁当が売られていた。奥には座るところもあるため、持参した弁当を食べられる。

緑の簡易テントが並ぶ開成町あじさい祭り会場

歩いてハナアオイ農道へ

あじさい公園を後にして、ハナアオイ農道を目指す。公園前の道を進んで行くと案内があるので、迷うことは無いだろう。

畑の中の道

あじさい公園から徒歩10分強ほどでハナアオイ農道に到着。ハナアオイとは、1mほどになるノッポな草に、ピンクや白などの花がぼってり咲くという、視覚的インパクトのある植物だ。アジサイ祭りと同時期にハナアオイ祭りもやっていたようだ。

ハナアオイ農道

祭りは終わった後だが、まだ満開には程遠いように見える。やはり自然の物が相手だと、祭り時期にドンピシャで見頃になるとも限らず、難しいのだろう。

ハナアオイ農道から田んぼを眺める

道の両側にお行儀よく整列したハナアオイ。

まっすぐ天に向かって伸びるハナアオイ

バーベキューの串焼きみたいな、インパクトのあるルックスである。例年の見頃は6月中旬~下旬頃のようだ。

ハナアオイと田んぼ

およそ1,000株が咲くという。

ハナアオイ農道の先に見える山並み

用水路の水も綺麗だ。

澄んだ用水路の流れ

岡野あじさいの里・もう一つのあじさいの里

ハナアオイ農道の近くには、岡野あじさいの里という一角があり、

ハナアオイの列の向こうには田んぼ、そのさらに奥にはアジサイが列を作っている

こちらにも、まとまってアジサイが植樹されている。

田んぼに沿って綺麗に並んだアジサイ

祭り終了後も客の多かった開成町あじさいの里とは異なり、岡野あじさいの里は人がまばらだ。

薄ピンクのアジサイが並ぶ青空の小径

騒がしい都会を離れて、アジサイと田んぼしか無い小径を、頭を空っぽにしてただただ歩く。そんな一日も悪くない。

なお、松田山ハーブガーデンに行く場合、足柄上合同庁舎のある道路をひたすら道なりに歩く。酒匂川を渡って直進すると、河南沢交差点にぶつかるので、そこも直進し、坂道を登っていく。徒歩だとアジサイの里からは40、50分ほど掛かる。

アジサイ祭り期間中はご丁寧にも松田山ハーブガーデンはじめ、近隣スポットへのシャトルバスも出ている。長距離を歩くのはシンドイ…という人は、祭り期間中に行くのが良いだろう。

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アクセス・所要時間など

住所
〒258-0028 神奈川県足柄上郡開成町金井島1417−5

アクセス
・小田急線「新松田」 JR「松田」下車 徒歩25分
・箱根登山バス関本行き「新松田」乗車 「吉田神社入り口」下車 徒歩1分
・あじさい祭り期間中はシャトルバス有。詳細は公式ホームページ参照

歩行時間
約2時間20分
※松田山ハーブガーデンと合わせて観光すれば3、4時間程度

費用
無料

飲食
松田山ハーブガーデンにレストランがある他、新松田駅周辺に飲食店が散在している。ただ、あまり数は多くはない。持参した弁当をハーブ園か開成町あじさい祭り会場で食べるのも良い。

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