東京都練馬区にある区立牧野記念庭園を散歩してきた。
見どころや現地の雰囲気を、動画や写真とともにレポートする。
牧野記念庭園に行った感想とクチコミ
感想
庭園というとコイの泳ぐ池や風流な岩などが思い浮かぶが、牧野記念庭園には300種類の草木類が植えられ、庭園というより「草木の観察施設」といった印象を持った。23区で言えば、向島百花園や赤塚植物園あたりと似た雰囲気だ。

それもそのはずで、牧野記念庭園の名前の由来ともなっている牧野富太郎博士は、「日本の植物分類学の父」とされる植物学者。その自宅跡地がこの施設なのだ。

最近だとNHKの連続ドラマ小説「らんまん」の主人公のモデルゆかりの地ということで、積極的に訪ねる方が多いと思われる。が、そうした背景を知らない方が「庭園」という名につられて来ると、「これが庭園?施設も小さめだしすぐに見終わるかな」と思うかもしれない。

私が訪れたときも「らんまん」が始まる前だったので、サラッと流すように見学してしまったが、「学者の仕事場がいまも残って展示されている」光景は珍しく、興味深く見学できた。

日本庭園のような場所を期待してくるとちょっと違うかもしれないが、草木や花の造詣が深く、植物を見ること自体が好きな方なら朝ドラに関係なく楽しめるだろう。逆に、朝ドラも見てない、キレイな景色が目的で植物の細かな情報にはあまり興味は無い、みたいな方にとってはそこまで魅かれないかも。
口コミ(Google・旅行サイト等)
直近の口コミについて高評価が多いのは朝ドラで興味を持った方が多いからだと思われる。
- 牧野博士のお宅に伺ったような気分になれる
- 朝ドラの影響で人が多いが混んではいない
- 入園料無料なのはすごい
- 緑がいっぱいでリフレッシュできる
- 仕事場がそのまま保存されていて感動
- 暖かい時期は蚊に注意
- こぢんまりとしている
- 植物の種類が豊富で見ていて飽きない
所要時間
公式HPを拝見すると「お時間の無い方で1時間、じっくり鑑賞する方だと半日」とあるが、おそらく「植物に対して知識または関心のある方」という前提だと思われる。

ただ、徒歩圏内には石神井公園がある。紅葉や桜の見ごたえがあるほか、井の頭公園をもっと落ち着いた雰囲気にしたような感じでお散歩が気持ちいい公園だ。


ということで、石神井公園とセットでお散歩するといい。
住所・アクセス【大泉学園より徒歩すぐ】
住所
東京都練馬区東大泉6-34-4
アクセス
最寄り駅は西武池袋線の大泉学園駅。駅前の様子。ロータリーになっている。

駅南口の大通りを直進して、「牧野庭園前」交差点を右へ曲がればOK。駅からは近く、5分前後で到着。

迷うことは無いだろう。
地図
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牧野記念庭園の動画・写真
最後に現地の様子を写真で振り返る。
まずは現地の雰囲気をコチラの動画でどうぞ。
訪れたのは秋だった。木々が紅葉していた。

ただ、紅葉の木の数は多いわけではない。周囲は住宅や団地に囲まれる。

練馬の名木「センダイヤザクラ」。牧野博士が命名した桜で、この種では日本最大の大きさだという。

さまざまな草花が育てられている花壇。

「のむらかえで」という名前のカエデ。なんとなく女の子の名前っぽいですな。

園内にある書屋展示室がちょっとユニークだった。

その名のとおり、牧野博士が研究・執筆のために生涯こもった書斎の展示なのだが…
書斎が鉄筋コンクリート製の建物に覆われている。

つまり、建物の中に建物が展示されているのだ。不思議な感じ。

時代背景もあるが、東大で研究していた先生の書庫というのを考慮すると、どこか質素な印象を受ける。


まさかのご本人登場。博士の等身大パネルが置かれていた。

書屋展示室の他にも、博士の愛用品や植物標本が展示された「常設展示室」「企画展示室」もある。

書斎とは正反対で、ずいぶん近代的なルックスの建物だ。それもそのはず、牧野記念庭園は、開園は昭和33年にさかのぼるが、平成22年にリニューアルオープンしている。

博士の胸像。博士を支えるように周りに生えているのは「スエコザサ」。妻・寿衛子夫人の名にちなんで名づけられた、博士が発見した新種だ。これまた朝ドラを見てから来ればだいぶテンションが違っただろう…。

見上げるほど大きな松の木。

元々個人宅のお庭なので大名庭園のような規模感ではないが、いろいろな草木が見られる。「百花園」の類が好きな方は、立ち寄ってみては。

小石川植物園【合わせて行きたい】

こちらも牧野博士ゆかりの地。かつて博士が研究拠点としていた場所だ。牧野記念庭園の書庫ような「建物」としての遺構は残っていないが、2023.11.26まで【牧野富太郎と小石川植物園】展が開催されている。また、23区の中でトップクラスに自然ゆたかなスポットでもある。
\ 詳しくはコチラ /
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