2020年8月東京都港区にある高輪ゲートウェイ駅に行ってきた。
現地の雰囲気を、動画やたっぷりの写真とともにレポートする。
開業記念に高輪ゲートウェイ駅舎をマジマジと観察【概要】
開業前に高輪ゲートウェイ付近を散歩した際、その奇抜なネーミングとは裏腹に、「寺と坂の街」という純和風な装いを見せていた高輪ゲートウェイ界隈。
で、今回、満を持して、高輪ゲートウェイ駅をじっくりと観察したわけですが。
結論、「何も無い」。
いや、シャレオツな駅舎はまるで空港のようで、駅舎を見るだけで楽しめる鉄分濃いめな人ならいい。が、そうでないなら、「何も無い」(2回目)
そもそも2020年3月14日に駅は開業したが、マンションや商業施設、オフィスなどからなる複合ビルが雨後の筍のごとくバンバン建つようになるのは4、5年先。
それまでは、基本的にこの「駅舎しかない」のです…。
まぁね、ほんとに何も無い事はないですよ。謎のロボットが設置してあったり、無人コンビニがあったり。ただ、わざわざ遠方から来るほどかと言われれば、鉄道好きならどうぞとしか…。
ただし、前述のとおり、駅を一歩出れば、あたりには無数の小さなお寺や坂がある。お寺と坂フェチな方ならば、ほどよい散歩コースになると思う。(後述する)
現地の雰囲気はこちらの動画をどうぞ。
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高輪ゲートウェイ駅の様子をもっと詳しく!【詳細】
それでは、高輪ゲートウェイ駅の様子をもっと詳しく見ていこう。
空港感あふるる大屋根
とにかくこの景観ですよ。とにかく、駅に降り立った瞬間から、折り紙をモチーフにしたという屋根が目を引く。
さっそくエスカレーターで改札階に上がる。
都内だと新国立競技場から明治神宮ミュージアムまで、飛ぶ鳥はおろか飛ぶ戦闘機すら撃ち落とす勢いの隈研吾氏による、美しいデザインの駅舎だ。
もはや空港。新型山手線のサイバー感あふるるルックスと相まって、このまま山手線に主翼が生えて離陸するんじゃないかと思うほどの景観であります。
駅前に複合施設が一棟も建っていない現在、高輪ゲートウェイにわざわざ来る目的の90%はこの駅舎を見ることで達成すると思われる。
人の集まる駅に必ず設置される映像投影マシーン。今後ここに企業広告とか出してウハウハという算段ですかね。
なお、このディーンフジオカ並みに爽やかなルックスから、夏場でも涼やかな印象を受ける駅構内だが、屋根があるだけでほぼ屋外と言っていいだろう。夏場の駅構内はふつうに暑い。
東京総合車両センター田町センターを一望
駅構内からお隣の東京総合車両センターを一望できる。
これはよろしい。鉄道好きなキッズも少しは楽しめるだろう。その奥には新幹線が走る姿も見られる。
謎のロボット
駅構内にたたずむ謎のロボ。おそらく界隈の開発を快く思わない組織の襲撃の際に、迎撃用として運用されると思われる(それなんてFF7)
インフォメーションと言われましても、駅は広くは無いし、街びらき前のいまは周辺にもあまり目立ったものは無い訳でして、何をインフォームするつもりなのか。
試しに、音声マイクに向かって「高輪ゲートウェイという駅名についてどう思いますか?」と、いきなり核心に触れたところ、
何だよ「魚はゲートウェイ」って。
川とかにある魚道か。ゲートウェイって、魚のゲートウェイだったんか。これ以上よけいな詮索をすると迎撃モードに変形しそうなのでこれくらいにしておこう。
謎のロボット2
構内にたたずむロボその2。何だこれ?
IT企業とセントラル警備保障が組んで開発した自律移動型警備ロボットらしい。
不用意に話しかけると「シンニュウシャハッケン、コレヨリ、ハイジョシマス」などと強制戦闘になるパターンですよね、分かります。
実は、JR東日本は、高輪ゲートウェイにおいてロボットの実証実験を行っている。で、警備以外にも清掃、搬送など様々なロボットを試験的に導入している。
まだ実験段階であり、本格導入は街びらきの2024年予定だが、この勢いだと2050年頃にはドラえもんも導入されてそうで怖い。
TOUCH TO GO 高輪ゲートウェイ駅店【無人コンビニ】
ロボットに続き、今度は無人コンビニを発見。入ってみよう。
ここまで近未来感あふれる高輪ゲートウェイなので、無人コンビニとはワクワクが止まらない。
退店時に勝手にSuicaから引き落とされるのだろうか。何ならSuicaの残額が足りないと先ほどのロボット群が突入してきて身ぐるみ剥がされる、そんな超テクノロジーが待っているのだろうか。
えっと…、自分で商品バーコードを読み込んで、最後に自分でSuicaを端末にタッチして決済。えらくフツーである。完全無人は新しいが、決済の仕組みとしては、そのへんの街の小売店でもやってる所はやってる仕組みで、正直、目新しさは無い。
さて、このまま駅構内をずっとブラついても何なので、というか、駅がそこまで広くはなく、やることが速攻なくなってしまったため、改札を抜けて外へ出てみよう。
ナナメでイキり気味の自動改札【出口はココのみ】
こら磯野!話を聞くときは真っすぐ立て!!と、カツオの先生が見たら激オコしそうな勢いでタッチ部分がなぜかナナメな改札。
車椅子の方やお子様でもタッチしやすい、ユニバーサルデザイン改札でした。限られた駅で実証実験中とのこと。
駅の出入り口はこの1ヵ所のみ。
あらー残念、反対側にも出入口を設けて、車両センター上を通り抜けるペデストリアンデッキとか整備すれば、鉄分濃いめの大人はもちろん、鉄道好きのキッズも大集合すること請け合いなのだが…まぁ、車両基地の上を通過とか、安全上有り得ないっすよね…。
明朝体でイキり気味の駅看板
改札はユニバーサルデザインなのに、駅の顔とも言うべき改札外の看板の「高輪ゲートウェイ」の文字は、線の細い明朝体で書かれている。
「は?俺を誰だと思ってんの?五反田とか鶯谷とかと違うんだけど。クソダサい書体がこの俺に似合うと思ってんのお前?」…ごめんなさい。
あっ、でもホーム上の看板の文字がゴシック体なのは…あっ、そうですよね、ハズシってヤツですよね!!分かります!!いやー、さすが高輪ゲートウェイさんっす!!
ゼルダスタバと展望デッキ
高輪ゲートウェイ駅にはスタバがあるのだが、その入り口がやや分かりにくい。
まず、駅構内から直接、お店に行くことができない。すぐそこに見えてるんだけど…
改札を出て、右手に曲がり…
この階段をのぼるか、隣のエレベーターに乗るかしてお店に行くのだが、とくに看板が出ているわけでもなく。
見えてるんだけどなかなか入り方が分からんという、ゼルダの伝説か。
まぁ案内板だらけだとダサいというのも分かるが、万人にやさしくなりたいのか、機能性を犠牲にしてシャレオツ路線に振り切りたいのか、お前はどっちなんだ、高輪ゲートウェイ。
そんなゼルダなスタバ前は展望デッキとなっている。
スタバは高い場所にあるぶん天井がちかく、構造もマジマジと見えますな。
駅前イベント広場
駅前の広場はイベントスペースとなっている。「高輪ゲートウェーイww」っていかにもイベント好きそうなパリピな名前ですもんね。
この日はTakanawa Gateway Festと銘打ち、最新テクノロジーから日本各地のフードから取り揃えるという、いかにも広告代理店の香りのする華やかなイベントをやってました。
が、もうね、このイベント広場、猛暑日だとぶっちゃけ暑い。暑くて死ぬわ。
平日だからか人もまばらだし、私も数分で退散。涼しくなる秋にやれば良かったのに…とは思うが、色々と大人の事情があるのでしょう。
駅の周辺には寺町が広がる
高輪ゲートウェイ界隈は、駅と街がシームレスに連続する「駅まち一体」を目指し開発を進めるという。
だが、駅の周りには、小さなお寺や坂が密集しまくりな訳でして。(詳しくは下の記事ご参照)
2019年9月、東京都港区にある高輪ゲートウェイ駅周辺を散歩してきた。結論から言えば、高輪ゲートウェイ周辺は、数十以上のお寺や坂が密集する、いわば「寺坂ゲートウェイ」な様相を呈していた。 場所・開業時期についておさらいしつつ、周辺の様[…]
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2020年8月、東京都立川市の新名所、GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)に行ってきた。 本音での感想をはじめ、アクセスや見どころ、周辺スポットについても解説する。 立川新名所・GREEN SPRINGS(グリーンスプ[…]
対して、高輪ゲートウェイについては、スタイリッシュでシャレオツな駅周りと、寺と坂の多い古風な街。このふたつがシームレスにつながるイメージがなかなか思い浮かばない。
が、それは私の脳味噌がシームレスでツルツルだから想像が及ばないだけであって、天下のJR様ならきっと実現できるだろう。今後に期待だ。
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住所・アクセスなど
住所
〒108-0075 東京都港区港南2丁目1
アクセス
山手線か京浜東北線
飲食・ランチ
「高輪ゲートウェイ ランチ」で検索する人々が一定数いらっしゃるのだが、何をそんなに必死に高輪ゲートウェイでランチしようとするのか。
基本的に駅周辺は「寺と坂の街」であり、住宅街。飲食店は多くはない。
商業施設が本格開業するまでは、大人しく両隣りの品川か田町でランチするのがいいんじゃないでしょうか。
地図